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プロゴルファーやプロ野球選手が納得する「うで体・あし体」理論とは【ゴルフハウツー】

2021 2/8 06:00akira yasu
イメージ画像ⒸAPChanel/Shutterstock.com
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千賀や菅野が指導を仰ぐ鴻江寿治氏

トップアスリートを指導しているアスリートコンサルタントの鴻江寿治氏。ソフトバンクの投手である千賀滉大は、育成選手だったプロ1年目から鴻江氏主宰の合宿に参加し飛躍を加速させた。昨年は巨人の菅野智之も参加し、鴻江氏の指導により腕から始動する独特のフォームに変更。結果、「無双」と評されるほど圧巻のピッチングで最多勝を獲得した。

そして、プロゴルファーも鴻江氏の理論に耳を傾けるようになってきた。指導してきたアスリートが結果を出している実績だけでなく、身体特性について整理された理論が少ないことも影響しているかもしれない。

鴻江氏は過去にWBC日本代表チームや、アテネ、トリノ、北京など数々のオリンピックで日本代表チームのパーソナルトレーナーとして帯同した経験を持つ。現在も東京オリンピック日本代表トレーナーとして選手達をサポートしている。

鴻江氏がゴルファーにも伝えたい理論とはどういったものなのだろうか。鴻江氏著「うで体ゴルフ・あし体ゴルフ(青春出版)」を参考にしながら解説する。

骨盤の傾き方に個性がある

鴻江氏が考案したのが、うで体・あし体理論。これは骨盤の傾きにフォーカスしており、「骨盤が前傾している猫背型のうで体」と「骨盤が後傾している反り腰型のあし体」の2タイプに分けられる。

<うで体>
●横から見ると猫背に見える
●背骨が右に湾曲しているため、左肩が右肩よりも上がって見える
●骨盤の右半分が前傾して閉じており、左半分が後傾して開いている=ターゲット方向に骨盤が開いた状態

<あし体>
●横から見ると後ろに反って見える
●背骨が左に湾曲しているため、右肩が左肩よりも上がって見える
●骨盤の左半分が前傾して閉じており、右半分が後傾して開いている=ターゲット方向に骨盤が閉じた状態

「うで体」か「あし体」かは
●壁を強く押す
●深く腰掛けたイスから立ち上がる
●重いものを持ち上げる
などにより、セルフチェックできる。詳細については書籍を見てみるとよいだろう。

うで体・あし体理論とゴルフ

骨格が異なれば、ゴルファーによって最も自然な動きも異なる。仮に右打ちの場合、骨盤の左半分が開いている「うで体」だとフォロースルーで体が回りやすい。一方、骨盤の右半分が開いている「あし体」だとバックスイングで体が回りやすい。こういった個性をスイングエラーにつなげない効果を期待できるのが、うで体・あし体理論だ。

骨格的に回りやすい回転方向に意識的に大きく回そうとすると、スイングバランスを崩してインパクトでミスやエネルギーロスが生じやすくなる。

また、書籍の中で、“左肩が高い傾向のうで体はクラブが寝やすいので上から打ち込むダウンブローイメージが良い”、“右肩が高い傾向のあし体は上から打ち込みやすいので、クラブが寝るシャローのイメージが良い”と述べていることから、身体特性と調和させることで基準から外れない動きへ導こうとしていることがわかる。

随意的にタイプを体現しようとしない

巨人の菅野は「うで体」のため、腕から始動する新フォームへ変えたようだ。骨盤の左が開きやすいため、軸脚(右脚)にしっかり「ため」を作る必要がある。そこで、重心をしっかりと右脚に乗せる準備動作として、あの腕の動きがあるようだ。

ただし、うで体・あし体理論の活用において、判明した自身のタイプや特徴に、自らをはめこもうとする必要はない。

「自分は〇〇タイプだからこの点は今のままでよい」「自分は〇〇型だから流行っているああいう動きのイメージは不要」「自分は△△傾向だから□□のイメージが必要」といったように、自分の身体特性のタイプや傾向と、取り組むべきことを切り離して考える観点が必要だ。取り組みを正しく取捨選択するための1つの判断材料ともいえるだろう。

体の内部は見えないが、想像力を働かせて自身の体に問いかけながら検証していくことは有意義なものになるだろう。うで体・あし体理論に触れて、引き出しを増やしてみてはどうだろうか。

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