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意外に奥が深い グリップのチェックポイント【ゴルフハウツー】

2021 1/23 06:00akira yasu
イメージ画像Ⓒakira yasu/Shutterstock.com
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グリップは3種類

グリップは
●右手の小指を左手の指に重ねるオーバーラッピンググリップ
●右手小指を左手人差し指にからませるインターロッキンググリップ
●左人差し指と右小指を密着させ10本の指全部で握るテンフィンガーグリップ
の3つの種類がある。

どのグリップを選択するかは、それぞれの感覚的に合うかどうかの判断で良いだろう。まだ試したことがないグリップがあるなら試してみるのも良いだろう。

ちなみに、昔プロの間ではオーバーラッピングが主流だったが、最近はインターロッキングが主流になりつつある。

左手の小指と薬指、右手の薬指と中指

ゴルフスイングで「腕の力み」は大敵。力みには、主に支える指が原因と考えられる。左手は中指・薬指・小指が、右手は中指・薬指がクラブを支える(テンフィンガーの場合は右手小指も追加)。つまり「左右、親指と人差し指には力を入れない」ということになるが、これができていないゴルファーは多い。

トップオブスイングでは左手親指に頼り過ぎてクラブを支え、ダウンスイングでは右手親指と人差し指に強い圧をかけるようにクラブヘッドを押さえつけボールに向かわせている。

こうなるとダフりやすい。ダフらなかったとしても、インパクト時にクラブフェースが開いたりクラブヘッドが手よりも先行したハンドレイトインパクトになり、効率よくボールに力が伝わらなくなる。

一般ゴルファーが右手の人差し指や親指をグリップから離して(クラブに触れないようにして)スイングデータを測定すると、数値が良くなることがある。これは、スイング中に力が入ってはいけない指に過剰な力が加わっていることを示している。右手の親指や人差し指はよりソフトにグリップすべきだ。

親指と人差し指の間を狭くするショートサム

左手の親指には力を入れず小指や薬指に力を入れるために、親指をそらして短くショートサムにしたい。この時、親指と人差し指の間は狭く、親指はグリップセンターより右だ。

トップオブスイングで左手親指に力が入りすぎてしまうゴルファーの多くは、親指が伸びているロングサムになっている。左手の平全体でグリップをわしづかむように握る方が安心できるためこうなる。

ロングサムに比べ、ショートサムの方が手の中でクラブが遊ぶ感じがする。不安な感じになるが、これが一般的に言われる「クラブの重みを使う(感じる)」ということだ。物理的なクラブの重力や遠心力を活用するために必要なものになる。

ショートサムを経ることで、ロングサムにする場合でもそれぞれの指が基準とするグリップ圧が把握できるため、さらにロングサムの長所を引き出せるだろう。

左手2ナックル

第3関節の甲側はボコッとこぶのようになっている。このこぶのことをナックルという。

グリップした時、左手は人差し指と中指のこぶが見えるように握りたい。こぶが2個見える2ナックルだ。クラブの性能の変化や、注目されているプロゴルファーの影響によりグリップの「スクエア」は変わるが、現代のスクエアと基準はこの2ナックルで良いだろう。

右手は左手が決まると自然と決まってくる。顔の前に右手を持ってきて、左手で右手の平の親指側と小指側を挟んで軽く折りたたむようにすると、右手の平の中指の延長線付近がくぼみのようになるのが分かる。この右手のくぼみが左手親指にきっちりとはまるようにすれば、両手に一体感が生まれる。

グリップとスイングはつながっている

今回挙げたグリップのポイントは「絶対」ではない。多少、個人差があるからだ。しかし、「基準」を知ることは必要。すると自分のグリップの状態を知ることができ、スイングの向上に繋がる。

どうしてもスイングに目が行きがちだが、どんなにゴルフが上手くなってもグリップはチェックすべきで重要。気づかない内に形や圧が崩れてしまい、スイングのスムーズさが損なわれてしまうからだ。

2002年に世界ゴルフ殿堂入りしたゴルフレッスンの神様、ハーヴィー・ペニックは書籍の中で「悪いグリップから良いスイングは生まれない」と述べている。また、賞金王5度の片山晋呉も「アマチュアはグリップの練習量が少ない」と言っている。

チェックはもちろん、グリップの向上に着手してみてはどうだろうか。弾道やスイングを意識して100球打つよりも、良いグリップを100回練習する方が上達につながるかもしれない。

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