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バンカーショットが好きになる2つの練習法【ゴルフハウツー】

2021 1/12 06:00akira yasu
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ⒸNITINAI THABTHONG/Shutterstock.com

バンカーが得意になると他のショットも良くなる

ピンに寄せる以前に、バンカーに入ってしまうと脱出するのに2打以上必要になるなどの理由で、グリーンサイドバンカーからのショットが苦手なゴルファーは多い。

だが、バンカーが少ないゴルフコースはあるが、基本的にコースラウンドでバンカーは避けて通れない。グリーンを囲むようにバンカーがあったり、バンカーに向かってフェアウェイやグリーンが傾斜していたりするため、余程ミスなくプレーしない限りはバンカーショットをすることになる。また、徹底してバンカーを避けようとすると、より悪い状況になってしまうこともあるだろう。

グリーンサイドバンカーからのショットの苦手意識を払しょくできれば、バンカーショットの精度が上がりスコアを縮められるだけでなく、グリーンを狙ったショットの向上にもつながる。「バンカーに入っても大丈夫」と思えることで、プレッシャーが軽減し、普段通りのスイングがしやすくなるからだ。

全米女子で渋野日向子の優勝争いを支えたバンカーショット

昨年の12月10日から13日に開催された全米女子オープンでは、2日目終了時点から最終日の中盤まで首位を守った渋野日向子。結果4位となったが、終盤まで優勝争いに残れたのは成長したアプローチとバンカーショットが大きく影響している。

トップ10に入った選手の中で3日目と4日目の合計パーオン率は最も低く、最も多くバンカーに入れていた。しかし、昨季まで苦手にしていた「バンカーに入れ、高確率でパーを拾う」を徹底したこともあり、優勝争いから脱落することなく戦い抜くことができたのだ。

全米女子OPトップ10の3日目と4日目のパーオン率とサンドセーブ率ⒸSPAIA


バンカーショットの向上により、グリーンサイドバンカーがあるホールの攻め方のバリエーションも豊富になる。全米女子オープン期間中の渋野が「バンカーに自信を持つことによって、パー5でも(第2打をグリーン前の)バンカーに入れてもOKという選択肢ができる」と語っていた。

バンカーショットの2つの練習法

バンカー練習場がある練習場やゴルフ場に行くことがあれば、バンカーショットの練習をしておきたい。グリーンサイドバンカーからのショットは芝からと違い、ボールを直接打つのではなく砂を爆発(エクスプロージョン)させて砂と一緒にボールを飛ばす必要がある。そこで、エクスプロージョンショットの練習方法を2つ紹介したい。

1)砂に1本線を引いて線を打つ
これはゴルフボールを使わない練習だ。砂に線を引き、その線をボールに見立てて砂を打つ。砂の削れた跡がお札ほどの大きさになるように、また、その線の右と左の砂の削れた跡が同じ大きさ(左右対称)になるようにする練習だ。こうすることで、適切なクラブヘッドが砂に入る地点や入る角度(入射角)を体感することができる。

砂に入る地点が手前すぎたり深すぎたりすると、線の右の跡が大きくなり、砂に入る地点が線に近すぎると、線の左の跡が大きくなる。前者は距離を出せずにバンカーから脱出することができない可能性や、脱出できたとしても思うように距離を出せない可能性が高まる。後者は飛び過ぎてピンを大きくオーバー(ホームラン)する可能性や、ボールに高さが出ずにバンカーの土手に当たって脱出できなくなる可能性が高くなる。

2)小さい山を作って打つ
バンカーが苦手なゴルファーの中には、ボールの手前の砂を打つということは知っていても、クラブヘッドが砂の下をくぐる感覚を得られていないゴルファーがいるようだ。

そのような、特にゴルフ初心者におすすめなのがダルマ落としのイメージの練習だ。バンカーに小さい山(コップに砂を入れてひっくり返したような)を作りその上にボールを乗せる。そして、小さい山をクラブヘッドで叩く。すると、クラブヘッドがボールの下をくぐるダルマ落としのようになる(ボールは飛ばない)。この時の感覚がバンカーショットのベースになる。

練習施設を利用する

実際のコースラウンドで、出た所勝負では安定してイメージ通りにバンカーからボールを脱出させることはできない。砂の削れ具合やクラブヘッドの砂への入り方を、明確にイメージしておくことが重要だ。バンカー練習場やゴルフ場へ行くときは、練習時間を多めに取ってバンカー練習をしてみてはいかがだろうか。

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