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コリン・モリカワの活躍で出てくる 左手がウィークグリップの選手が増える可能性

2020 8/31 06:00akira yasu
プロゴルファーのコリン・モリカワⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

全米プロゴルフ選手権優勝のコリン・モリカワ

今、米ツアーで最も勢いに乗っている選手が日系アメリカ人のコリン・モリカワだ。

昨季6月にプロデビューし、プロ6戦目のバラクーダ選手権で初優勝。今季6月のトラベラーズチャンピオンシップで予選落ちするまで、プロデビュー後22試合連続予選通過。その初予選落ち翌週のワークデイチャリティオープンで2勝目。そして、8月全米プロ優勝。一気に世界ランキング5位まで駆け上がった。

ちなみに、22戦連続予選通過は過去30年でタイガー・ウッズの25試合連続に続く歴代2位の記録だ。

左手グリップがウィークでロングサム

全米プロで勝利を決定付けたのは、最終日の16番ホール短いパー4のイーグル奪取だ。ドライバーでティーショットし、1オン。狙い通りイーグルチャンスにつけた。このシーンに象徴されるように、正確なショットがコリン・モリカワの持ち味だ。

今季、ドライビングディスタンスは112位ながら、SG:ティートゥグリーンは3位につけている。SG:ティートゥグリーンのトップ10中、ドライビングディスタンスが300ヤードを越えていないのはコリン・モリカワだけ。飛距離が出る方ではないが、それを補うに十分の精度の高さを誇っている。パッティングの安定感が増せば、際立った強さを発揮するかもしれない。

2019年度・20年度 コリン・モリカワ スタッツⒸSPAIA


●SG指標:どれだけスコアを稼いだかを示す米ツアー独自の指標
●SG:ティートゥグリーン=ティーからグリーンまでの貢献度
●SG:パッティング=パッティングの貢献度

精度の高いショットを繰り出すスイングはオーソドックスでクセがない。左手のグリップは特徴的で、左手甲が目標方向(左)を向くウィークグリップ。そして、左手親指を縮めずに伸ばすロングサムだ。

スタンダードな左手グリップはスクエアもしくはストロング、そしてショートサム

スタンダードなグリップは、タイガー・ウッズのように左手甲が斜め前を向くスクエアグリップ。しかし、現代のドライバーのクラブのヘッドは昔のものに比べて大きくなっているので、インパクト時にフェースが開き(右を向き)やすい。

そこでインパクト前後でフェースを返しやすくするため、ダスティン・ジョンソンのように、左手甲を正面に向けるようにかぶせて握るストロンググリップにする選手が増えた。これにより腕に余計な力みが生じにくく、手首が柔らかくなる。左手親指は縮めて握るショートサムがスタンダードだ。

左手ウィーク&ロングサムのメリットとデメリット

左手甲を目標方向(左)に向けるウィークグリップは、左手甲とフェース面の向きが同じになるので、選手によるが腕とクラブが一体化するというメリットがある。また、フェースが返りにくいので左へのミスを回避できる。ある程度手首を固定できるロングサムにすれば、このような特性も発揮できるのだ。

ウィークやロングサムのデメリットは、フェース面が開きやすくなることと、腕に過剰な力みが生まれて効率よくクラブヘッドを走らせにくくなることが挙げられる。一般のゴルファーにすすめられないのは、これが理由だ。

コリン・モリカワは、左手をウィークにしながら右手を手の平が斜め前を向くストロング気味にし、左手ウィークのデメリットを打ち消している。

グリップはその時強い選手のものがスタンダードになる傾向

タイガー・ウッズが登場する前は、右手の小指を左指に乗せるオーバーラッピンググリップが主流だった。だが、タイガー・ウッズが右手の小指を左手人差し指に絡ませるインターロッキンググリップを採用していたため、それが主流になった。

1998年米ツアー賞金ランキング1位、そして元世界ランキング1位のデイビッド・デュバルが活躍していた時は、「これからの時代は、左右共に強めのストロンググリップがスタンダードだ」という言葉が多く聞かれた。

グリップは時代や選手によって変化する。コリン・モリカワの活躍次第で、ツアー選手やジュニアゴルファーがウィークグリップにトライすることや、採用することが増えるかもしれない。

正確性を武器に特徴的なグリップを採用しメジャーチャンプまで昇りつめ、パワーゲーム化している米ツアーで独自のプレースタイルで戦っているコリン・モリカワ。これからも目が離せない。

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