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村元哉中、高橋大輔組、来季も現役続行で描く「新しい世界」の青写真

2022 5/29 06:00田村崇仁
村元哉中と高橋大輔,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

結成3シーズン目「どんどんレベルアップを」

現役続行の決意と覚悟を決めた2人は、実に晴れやかな笑顔だった。

フィギュアスケートのアイスダンスで周囲も驚く「超進化」を遂げてきた36歳の高橋大輔、29歳の村元哉中(ともに関大KFSC)の「かなだい」ペアが5月27日、SNSで来季の2022―2023年シーズンもカップルを組んで競技を続ける意向を公表した。

去就に関心が集まっていたカップルの発信先は米国サンフランシスコで既に来シーズンへ動き出していると報告。2人の公式インスタグラムで、高橋は「(来季が)どんなシーズンになるか全く分からないんですけれども、常に全力で突き進んでいきたい。3シーズン目、どんどんレベルアップしていきたいと思っております」と力強くコメント。「2年間突っ走ってきたので、気持ちにバケーションをあげて、しっかり考えたい」と話していた通り、心身をリセットできたようだ。

村元も「現役続行ということで、今からワクワク。かなだいの新しい世界を早く披露したいなと思います」と満面の笑顔で宣言し、新たなシーズンと挑戦が待ち切れない様子だった。

アイスダンサーとして2年目は大きな一歩

結成2年目の昨シーズンは、日本の伝統をユニークな音楽と振り付けでアレンジした「ソーラン節&琴」のリズムダンス(RD)、クラシックバレエの名曲「ラ・バヤデール」を独自の世界観で演じたフリーで、アイスダンサーとしての大きな一歩を踏み出した。

2021年12月の全日本選手権で2位となり、2022年2月の北京冬季五輪は惜しくも出場の夢が叶わなかったが、2022年1月の四大陸選手権(エストニア・タリン)では日本勢で過去最高位の銀メダルを獲得して成長ぶりを証明。2人が紡ぎ出すアイスダンスの新たな価値を世界にアピールした。

シングル時代以来9年ぶりに戻ってきた2022年3月の世界選手権(フランス・モンペリエ)は16位で終え、高橋はSNSで「アイスダンサーとして初めての世界選手権は貴重な経験となりました!この2年間は本当に大変な事もたくさんありましたが、それ以上に素晴らしい事を感じられた2年になりました!」とシーズンを総括したが、五輪を逃した悔しさも含めてまだやり遂げていない感覚や「超進化」の可能性を感じていたのだろう。だからこそ「どんどんレベルアップしていきたい」との言葉に強い決意がにじんだ。

「かなだい」の世界観と可能性に成長の余地

2010年バンクーバー五輪男子シングルで日本男子初の表彰台となる銅メダルに輝いた高橋は、2014年10月に一度は現役を引退。ブランクを経て2018年7月に電撃復帰すると、2020年1月にはアイスダンスへ転向し、村元とカップルを結成した。

結成3年目の「かなだい」はどんな世界観を紡ぎ出すのか―。年齢差もある2人の間に流れるのは、スケートへの情熱と向上心、そして互いをリスペクトする精神だろう。

村元は四大陸選手権や世界選手権を終え「世界と戦えるポテンシャルを持っている」とカップルとしての潜在能力に自信を深めたという。高橋は来季への去就を決める前に「どんな決断をしたとしても、スケーターとしては、まだまだ成長過程である事に、変わりはないと感じてます!」とコメントしていたのが印象的だ。

そんなアイスダンスを心から愛する2人の「個性」が融合すれば、世界も認める「かなだい」の世界観と可能性にはまだまだ来季も成長の余地がある。

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