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高橋大輔、村元哉中と結成2年の成長とダンサーの矜持示したアイスショー

2022 4/17 06:00田村崇仁
村本哉中・高橋大輔組,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

「ソーラン節」で海の荒波や一体感を表現

わずか結成2年で誰もが認める「アイスダンサー」に成長した36歳の高橋大輔(関大KFSC)が、シングル時代から世界一と評される華麗なステップを刻んで今季を締めくくった。

4月10日まで行われたフィギュアスケートの最高峰アイスショー「スターズ・オン・アイス」。29歳の村元哉中(関大KFSC)とカップルを組むアイスダンスで出演し、公式戦とはひと味違った雰囲気の中にも着実にレベルアップを重ねた軌跡とダンサーとしての矜持を示す演技を披露した。

哀愁を帯びたメロディーの「You are the Reason」が奏でる曲調に合わせてステップやリフトでファンを魅了したかと思えば、白を基調とした衣装で日本らしい「ソーラン節&琴」を演じる場面も。もともとニシン漁の仕事歌がルーツで現代風にアレンジした「ソーラン節」では精密な手足の動きで海の荒波や一体感を氷上で表現した。

9年ぶりに戻ってきた3月の世界選手権(フランス・モンペリエ)を16位で終え、高橋は自身のSNSで「アイスダンサーとして初めての世界選手権は貴重な経験となりました!この2年間は本当に大変な事もたくさんありましたが、それ以上に素晴らしい事を感じれた2年になりました!」と振り返った通り、アイスショーでも息の合った2人の世界観をアピール。

村元が「2年間の成長が詰まったプログラム。“白ソーラン”も見どころ」と中継局インタビューで予告していた通りの表現力豊かな演技だった。

磨きが掛かったエッジワークと一体感

高橋はシングル時代から天性のエッジワークに定評があったが、アイスダンスでも「全く違う世界」と苦闘しながら独特のターンやステップを一つ一つ学び、村元との一体感に磨きをかけてきた。

そんな2人の「個性」が融合し、1月の四大陸選手権(エストニア・タリン)では日本勢で過去最高位の銀メダルを獲得して成長を証明。2月の北京冬季五輪は惜しくも出場の夢が叶わなかったが、高橋は「哉中ちゃんが誘ってくれなければ、そして、色々な事が重ならなければ、この経験は出来なかった。世界選手権にまた戻ってくる事は叶わなかった。自分は本当に運が良いなと改めて思いました!笑」とも今季を振り返っている。

一方の村元も自身のSNSで世界選手権後に「この世界の舞台に大ちゃんと戻ってきてこれた事、本当に感謝の気持ちでいっぱいです!完璧な演技とはなりませんでしたが、素晴らしいプログラムを世界に披露できた事を誇りに思います。大ちゃんとだからこそまた一からアイスダンスを追求できて、改めてアイスダンスの良さを感じることができました」と2年間の成長をつづった。

世界も認める「かなだい」の可能性

来季以降の動向については明言していないものの、世界も認める「かなだい」の世界観と可能性はまだまだ成長の余地がある。

高橋は「この2年突っ走ってきた所もあるので、一度ゆっくり落ち着いて考えたいと思います!ただ、どんな決断をしたとしても、スケーターとしては、まだまだ成長過程である事に、変わりはないと感じてます!」とスケーターとしての情熱と向上心が衰えることはない。

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