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宮原知子、引退後に描くプロスケーターと医学の道「努力の天才」の新たな挑戦

2022 4/5 06:00田村崇仁
宮原知子,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

「ミス・パーフェクト」プロスケーターデビュー

フィギュアスケート女子の24歳、宮原知子(木下グループ)は完成度の高い演技と表現力豊かな滑りで「ミス・パーフェクト」と呼ばれ、152センチと小柄な体ながら誰もが一目置く「努力の天才」として一時代を築いたアスリートだった。

2018年平昌冬季五輪は表彰台にあと一歩届かず4位だったが、情感を込めた「ミス・パーフェクト」の滑りは多くの人の記憶に残る名演技だった。3月26日、自身の24歳の誕生日にブログとインスタグラムで現役引退を突然発表し「今シーズン、スケート人生で1番、自分と向き合い、毎日を大切に過ごしてまいりました。これまで以上に、もうこれ以上はできないと納得いくまで練習し、試合に臨んだシーズンでした。私の中で悔いはなく、やりきったという気持ちでいっぱいです」と競技人生を完全燃焼した心境をつづった。

引退後のセカンドキャリアについては「今後の夢は沢山ありますが、まずはプロスケーターとして自分のスケートを極め、新境地を開いていけるよう、これまでの経験を活かして頑張っていきたいと思っております」とし、プロスケーターとしての活動がまずは最初の目標となる。

4月1日の引退会見には、3月の世界選手権(フランス・モンペリエ)で金メダルを獲得した宇野昌磨(トヨタ自動車)もサプライズ登場し、花束を渡して激励。翌4月2日にはプロ活動第1弾として、アイスショー「スターズ・オン・アイス」で早速デビューし、北京冬季五輪金メダリストのネイサン・チェン(米国)から花束も贈られた。

日本人としては初めてとなるカナダツアーにも出演が決まっている。

ポスト浅田真央の期待、全日本選手権4連覇

京都府出身。もともと性格はシャイで生真面目だが、華やかな氷上の世界で才能が開花した。

4歳の時に米国ヒューストンでスケートを始め、2013年にシニアデビューを果たすと、翌年の全日本選手権から4連覇を達成。「ポスト浅田真央」と期待され、全日本女王として2015年世界選手権で銀メダル、2015、2016年のグランプリ(GP)ファイナルで2位に入るなど国内外の大会で安定した活躍が光った。

今季は2021年12月の全日本で5位に終わって北京冬季五輪出場を逃し、引退を決断した。

ラグビー福岡堅樹も引退後に医学の道へ

スポーツ界では現役引退後のセカンドキャリアが長年の課題とされてきたが、近年は海外のように多方面で活躍するケースも増えている。宮原は両親が医師だけに「医学への夢」も継続して持っているという。

ラグビー元日本代表の福岡堅樹氏は2019年ワールドカップ(W杯)でベスト8進出に貢献。2021年に順天堂大医学部に合格し、現役を引退した。現在医師を目指して勉強中だ。

「やりきった」と笑顔を見せた宮原も競技人生を終え、次のキャリアへ新たな扉を開くアイスショーと小さい頃から憧れる医学への道が続く。度重なる壁を乗り越えてきた「努力の天才」は、引退後も一歩ずつ着実に夢を追っていくのだろう。

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