「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」
北京冬季五輪のフィギュアスケート団体で過去2大会連続5位だった日本は、課題のペアで「りくりゅう」こと三浦璃来、木原龍一組（木下グループ）が世界との差を縮め、史上初の表彰台を視界に捉えている。
競技は開会式が行われる2月4日から始まり、男子のショートプログラム（SP）、小松原美里、小松原尊組（倉敷FSC）が挑むアイスダンスのリズムダンス（RD）、ペアのSPを実施。6日は女子SPと男子フリー、7日はペアのフリー、アイスダンスのフリー、女子フリーで争われる日程が組まれている。
今季のグランプリ・シリーズで2大会連続の表彰台と躍進するペアの三浦、木原組は日本勢の先陣を切って、北京会場の首都体育館で1月30日に初練習。まさに「台風の目」となる存在で、初のメダル獲得へ鍵を握る存在といえる2人は氷の感触や照明を確かめた。
男子や女子シングルは世界屈指の陣容をそろえており、ロシア・オリンピック委員会（ROC）と米国の2強をカナダとともに追う展開になりそうだ。
フィギュア団体は2014年ソチ五輪から初採用され、男子、女子、ペア、アイスダンスの順位に応じて1位は10ポイント、2位は9ポイントと加算した得点の合計で争われる。
今大会は10カ国・地域が参加。日本は昨季の世界選手権や今季のグランプリ（GP）シリーズなどの成績に基づいたポイントのランキングで4位となった。
1～3位はロシア、米国、カナダ。このほか中国、イタリア、ドイツ、ジョージア、チェコ、ウクライナも出場権を獲得した。フィギュア４種目の総合力が問われる戦いになる。
過去の日本勢は初採用のソチ五輪で男子SPが羽生結弦、フリーは町田樹、女子はSPが浅田真央、フリーが鈴木明子。ペアの高橋成美、木原龍一組、アイスダンスはキャシー・リード、クリス・リード組が起用された。
前回の2018年平昌五輪では男子SPが宇野昌磨、フリーは田中刑事。女子はSPが宮原知子、フリーが坂本花織。ペアは須崎海羽・木原龍一、アイスダンスは村元哉中・クリス・リードが予選、決勝ともに滑った。
国際オリンピック委員会（IOC）は1月28日、北京冬季五輪の出場選手、チームが新型コロナウイルスの影響で欠場した場合に適用する競技ごとの規則を公表した。
フィギュアスケートの団体ではSPの滑走順が決まる抽選会の1時間前までは交代可能。ただし、入れ替わった選手は個人種目にも出場する。
SP滑走順が決定した後に判明した感染者は代替選手の起用が認められず、全4種目のうち3種目で演技可能であれば出場できるとしている。
新型コロナ禍で不測の事態があるとはいえ、日本勢の男女シングルは誰が出ても団体の好成績を後押しできる陣容だ。
男子は94年ぶりの3連覇がかかる羽生結弦（ANA）を筆頭に、2018年平昌五輪銀メダルの宇野昌磨（トヨタ自動車）、昨季の世界選手権2位で勢いのある18歳の鍵山優真（オリエンタルバイオ・星槎）がそろう。
女子は平昌冬季五輪6位の坂本花織（シスメックス）がエースに成長。2018年世界選手権2位で大技のトリプルアクセル（3回転半ジャンプ）が武器の樋口新葉（明大）はジャンプが決まれば上位を脅かす勢いがある。
初出場となる17歳の河辺愛菜（木下アカデミー）も得意のトリプルアクセルを武器に圧巻の安定感を持っている。
北京大会の団体はシングルの選手たちの強さだけでなく、カップル種目の躍進による総合力でメダルに迫る可能性が高い。
平昌五輪の団体で日本のペアはSP8位、フリー5位、アイスダンスはショートダンス（SD）5位、フリー5位だった。ペアの三浦、木原組、アイスダンスの小松原組は日本ではまだ認知度が低いカップル種目の普及を図りたい思いも強く、団体の表彰台に懸ける意欲は並々ならぬものがある。北京五輪の団体でペアやアイスダンスが活躍すれば関心は高まり、相乗効果で個人種目も含めた日本の底上げにもつながる。
日本は3度目の挑戦で団体の表彰台に立てるのか－。北京五輪はチーム日本の命運を握るカップル種目の滑りも必見となりそうだ。
【関連記事】
・フィギュアスケート初実施は夏季五輪、冬季に移った意外な歴史
・フィギュアスケート男子歴代五輪金メダリスト、羽生結弦3連覇なら94年ぶり
・宇野昌磨が北京五輪で4回転計5本を成功させるための「新たな武器」
AI競馬
