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フィギュア坂本花織が復活、北京冬季五輪へ表現力も成長

2021 2/8 19:00田村崇仁
坂本花織Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

国体2連覇、GPシリーズも初制覇

フィギュアスケート女子で2018年平昌冬季五輪6位入賞の20歳、坂本花織(兵庫・神戸学院大)が持ち味のダイナミックな跳躍に加え、表現力にも磨きを掛けて復活を印象付けている。

1月下旬の国民体育大会冬季大会(名古屋市)ではフリーで149.33を出し、合計227.78点で2連覇を達成。今季は2020年11月のグランプリ(GP)シリーズ最終戦、NHK杯でもほぼミスのない演技を見せ、ショートプログラム(SP)に続いて1位の153.91点をマークし、合計229.51点でGP初制覇を遂げている。

2年ぶりの優勝を狙った2020年12月の全日本選手権(長野市ビッグハット)では2連覇した紀平梨花(トヨタ自動車)に次いで合計222.17点の2位に入り、3月の世界選手権(ストックホルム)代表に決定。一時期の不振を脱して新型コロナウイルス禍でも充実のシーズンを送っている。

フィギュアスケート全日本選手権女子最終成績

高難度の演技構成、4項目で9点台

今季のSP「バッハ・ア・ラ・ジャズ」では高難度の演技構成に挑戦し、成熟した演技を高得点で証明してきた。

フランス人振付師のブノワ・リショー氏からリモートで指導を受け、フリップ―トーループの2連続3回転ジャンプを前半からボーナス点が付く後半に移行。単発の3回転もループから高難度のルッツに変え、冬季国体でも78.45点の高スコアをたたき出した。スピン、ステップも最高難度のレベル4を獲得している。

映画「マトリックス」の音楽を2季連続で使うフリーではスタミナ強化の成果で激しい振り付けの演目を躍動感たっぷりに滑り、表現面を示す演技構成点5項目のうち4項目で10点満点の9点台をマーク。音楽との一体感が増し、持ち前のダイナミックなジャンプとスピード感あふれる滑りが融合してきている。

全日本では紀平梨花を演技構成点で上回る

全日本選手権でも表現面を評価する演技構成点は紀平を1.61点上回り、全体トップの74.23点をマーク。完成度にこだわったスピン、ステップでレベル4を獲得した。

前年の悔しい6位から表彰台に返り咲き、演技直後のテレビインタビューで「去年は本当に落ちこぼれみたいな演技をしてしまったので、それをこの全日本でリベンジできたのがよかった。一番うれしい」と納得した表情で振り返った。

約1年前から1人暮らしを始め、コロナ禍でも自炊で体調を自己管理。所属先のシスメックス陸上部の練習にも参加して下半身も鍛え抜き、GP初優勝を飾ったNHK杯では持ち味の踏み切りから着氷まで幅のある跳躍でジャンプは七つ全て成功させた。おなじみの力強いガッツポーズも復活した。

世界は4回転時代も完成度で勝負

4回転ジャンプを連発するロシア勢の躍進で新時代を迎えている女子フィギュア界。日本のエース紀平も4回転に挑戦しているが、坂本は3月の世界選手権へ完成度の高さで勝負する覚悟だ。

世界選手権は2019年大会(さいたま市)に初出場。SP2位と好発進しながらフリーで5位と失速し、表彰台を逃して合計222.83点の5位だった。2度目の舞台は、メダル争いを繰り広げるための北京冬季五輪への試金石にもなる。

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