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カーリングのロコ・ソラーレが日本選手権で11年ぶりに表彰台を逃した理由

2024 2/6 06:00堺俊輔
ロコ・ソラーレの藤沢五月,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

2次L敗退で世界選手権切符も逃す、優勝はSC軽井沢

カーリング女子で2022年北京冬季五輪銀メダルの「ロコ・ソラーレ」が日本選手権で3連覇を逃す波乱が起きた。

2月4日まで札幌市どうぎんカーリングスタジアムで行われた日本選手権。ロコ・ソラーレは1次リーグB組初戦で姉妹チームのロコ・ソラーレSに8―2で快勝し、姉貴分の本領を発揮して4連勝とまずまずの滑り出しだった。

しかし2次リーグに入ると、SC軽井沢クに8―10、中部電力に4―7と連敗を喫し、まさかの4位で敗退となった。

女子はSC軽井沢クが決勝で北海道銀行を5―4で下し、悲願の初優勝。ロコ・ソラーレが表彰台を逃すのは前身のLS北見時代を合わせ、4位だった2013年大会以来11年ぶり(2018年は平昌五輪直後で不出場)だ。

崖っぷちとなったフォルティウスとの最終戦では1点を追う最終エンドに2点を奪って7―6と逆転勝ちこそしたが、中継局のNHKインタビューでスキップ藤澤五月は大会を振り返り「正直、作戦的なミスだったり、こうすればよかったとか、ああすればよかったとか、悔いが残っている部分はたくさんある」と悔しさをにじませた。

2年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の日本代表争いは今大会から本格化。今季のロコ・ソラーレは目標を2024年3月の世界選手権(カナダ)での「世界一」に置いてきたものの、世界選手権切符もSC軽井沢に譲り、再出発を図ることになった。

次世代底上げ、SC軽井沢は世界ジュニア金メンバー

「氷上のチェス」と呼ばれる頭脳スポーツのカーリングは、アイスの状況やストーンのチェック、戦術といった勝負を分けるさまざまな要素があるといわれる。

スキップ藤澤は大会を通してチームメートのサード吉田知那美、セカンド鈴木夕湖、リードの吉田夕梨花の奮闘をたたえたが、1次リーグから岩手県協会に9―7、北海道銀行に6―5と僅差が多く、ロコ・ソラーレを目標に切磋琢磨して新興チームが台頭するなど日本全体の底上げも目立った。

2次リーグでは2大会連続五輪メダルで日本のカーリング界をけん引してきたチームらしからぬショットの乱れやピンチで局面を打開する一手を打てなかった場面もあった。

前回準優勝で初優勝したSC軽井沢は決勝で最終第10エンドに2点を挙げて逆転勝ち。スキップ上野美優は2022年世界ジュニア選手権の金メダルメンバーでもある。着実に成長し、次世代の日本代表へ名乗りを上げた形だ。

悲願の金へミラノ五輪への道は激しい争いに

ロコ・ソラーレにとっては悲願の金メダルを目指す2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪への道はまだ始まったばかり。日本カーリング協会によると、五輪日本代表候補チームは(1)2024年日本選手権優勝(2)2024年世界選手権出場(3)2025年日本選手権優勝(4)2025年世界選手権出場(5)2025年日本選手権直前の世界連盟チームランキング最上位チームかつ2024年、2025年日本選手権のいずれかで3位以内となったチームの中から選考する―などの選考基準がある。

ロコ・ソラーレは2023年11月4日までカナダでアジア、オセアニア、米大陸から8カ国・地域が参加して行われたパンコンチネンタル選手権でも決勝で韓国に6―11で敗れ、2連覇にあと一歩届かなかった。

スキップ藤澤は今大会の悔しい敗北を糧に「攻めの気持ちを忘れずにいきたい」と巻き返しを期す。国内の五輪選考レースも激しさを増しそうだ。

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