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カヌー競技の“スラローム”を詳しくご紹介

2016 12/16 11:07
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Photo by Mitch Gunn / Shutterstock.com

羽根田卓也選手が、日本人としてだけではなく、アジア人としても初めてメダルを獲得した“カヌー”。 このリオデジャネイロオリンピックでの活躍をきっかけに、“カヌー”の知名度が一気に高まりました。 そこで、カヌー競技の中でも“スラローム”に焦点を絞ってご紹介していきます。

まずはざっくりとカヌーの歴史をご紹介

カヌーの“スラローム”をご紹介する前に、ざっくりと歴史をご紹介いたします。カヌーの起源は特定されていませんが、古くは約6000年前に造られたカヌーが発見されています。 最初は生活の道具として使用されており、世界中にさまざまなカヌーが存在しています。その後、スポーツとして発展し、1936年からオリンピックの正式競技にも採用されました。 一般的に手こぎボートが“カヌー”として定義されています。また、カヌーはスポーツとしてだけではなく、レジャーとしても親しまれています。

「カヤック」と「カナディアン」にわかれる“カヌー”の種類とは

カヌーには「カヤック」と「カナディアン」の2種類があります。 「カヤック」は、北方のイヌイットが狩りをする目的で作った船で、乗り方は進行方向に向かって座ります。ブレードが両端についたパドルで左右交互に水をかき、足で舵を操作して進みます。一方の「カナディアン」は、カナダの原住民たちが木をくり抜いて作った船が原点で、立膝の姿勢で乗り込みます。ブレードが片側のみについたパドルを使用し、方向を操作しながら進みます。 スラローム競技でも、この2つのタイプで競技が分かれています。

カヌー競技の「スラロームカヤック」とは

「スラロームカヤック」はダブルブレードパドルのカヤックを使用した競技です。男女別に競技があり、一人乗りの“シングル”と二人で乗る“ペア”に分かれています。 流れの激しい河川のコースに通過するゲートが設置され、タイムを競います。コースの長さは250~400mほどあり、18~25個のゲートが設置されています。ゲートは通過する順序が決められており、ダウンゲートと呼ばれる上流から下流に向かって通過するゲートと、反対に下流から上流に向かって通過するアップゲートがあります。

カヌー競技の「スラロームカナディアン」とは

「スラロームカナディアン」は、シングルブレードパドルのカヌーで競技を行います。こちらは男子のみの競技です。クルーの人数によって分かれており、シングルとペアがあります。 同じく流れの激しい河川のコースで、設定されたゲートを通過してタイムを競います。コースはカヤックと同じで、全長は250~400mほど。ゲートも18~25個ほど設置され、通過順序の決まったダウンゲート(緑白ポール)とアップゲート(赤白ポール)があります。

カヌー競技のスラローム「カヤック」と「カナディアン」の勝利の条件

2種類の「スラロームカヤック」と「スラロームカナディアン」があるカヌー競技ですが、ベースとなる勝利の条件や採点方法は同じです。最短のタイムを争う競技なので、スタートからゴールまで早く到達した選手が勝利です。 基本的にタイムの速さがもっとも重要ですが、スラロームの醍醐味でもある“ゲート”を通過する際のペナルティータイムでも勝敗が左右されます。ゲートに船体やパドル、体が触れると、2秒のタイムペナルティ。ゲート自体の通過に失敗すると、50秒のタイムペナルティが追加されます。決められた方向とは違う通過方法でも不通過となり、50秒のペナルティが加算されます。

まとめ

スラロームカヌーの歴史や種類、ルールなどをご紹介しました。 羽根田卓也選手がメダルを獲得したことから一躍脚光を浴びたカヌーですが、まだまだヨーロッパの強豪国と比べれば力の差があります。羽根田選手も、日本ではなくスロバキアに留学して修業を重ねました。 人気の競技となった今、日本でもカヌーの腕が磨ける環境を整えることが理想ですね。