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メインより面白い!?武居由樹vs比嘉大吾などKO必至のアンダーカード展望

2024 9/2 06:05SPAIA編集部
武居由樹と比嘉大吾,ⒸLemino/SECOND CAREER
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ⒸLemino/SECOND CAREER

武居由樹vs比嘉大吾

プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)が東京・有明アリーナでテレンス・ジョン・ドヘニー(37=アイルランド)と防衛戦を行う9月3日はアンダーカードも充実している。

セミファイナルはWBOバンタム級王者・武居由樹(28=大橋)vs同級1位・比嘉大吾(29=志成)。K-1からボクシングに転向して9戦目で世界のベルトを巻いた武居が、15連続KOの日本タイ記録を持つハードパンチャーの元WBCフライ級王者・比嘉を迎え撃つKO必至の一戦だ。

会見中も笑みを絶やさない比嘉に対し、武居が「ニコニコした感じに騙されないように倒しにいきたい。5月(モロニー戦)は倒し切れなかったので今回は大吾さん、すみません、バチっと倒させていただきます」と挑発すると、比嘉も「全試合の中で一番いい試合をしたい。倒す練習しかしてこなかった」と応じた。

比嘉陣営の野木丈司トレーナーはキューバへトレーナー留学した経験があり、独自の理論で多くの世界王者を育成。武居と武居を指導する八重樫東トレーナーも野木氏の指導を仰ぐなど気心知れた間柄だ。

八重樫氏は「一緒にトレーニングしてきた仲だが、今回は割り切って敬意をもって戦いたい。ビックリするような展開になる」と“宣戦布告”。野木氏も「一瞬で終わるような決め手を持つ2人なので、いつ終わるか分からない。いわゆる“いい試合”になると勝ち目も出てくる」と打ち合いに持ち込みたい意向を示唆した。

戦績は武居が9戦全勝(8KO)、比嘉が 21勝(19KO)2敗1分け。前進する比嘉に対し、武居がカウンターを合わせられればKO防衛の可能性も膨らむが果たして…。

イスマエル・バロッソvs平岡アンディ

WBAスーパーライト級6位・平岡アンディ(28=大橋)は同級暫定王者イスマエル・バロッソ(41=ベネズエラ)と挑戦者決定12回戦に挑む。

イスマエル・バロッソと平岡アンディ

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平岡はガーナ出身の父ジャスティス・トレーナーから指導を受け、23戦全勝(18KO)をマークしているハードパンチャー。身長182センチ、リーチ188センチの恵まれた体格を持ち、日本人世界王者が過去3人しかいないスーパーライト級でIBFランキングも12位まで上昇している。

バロッソは25勝(23KO)4敗2分けのベテラン。41歳と高齢だが、豊富な経験を持つだけに侮れない相手だ。

平岡は「とても楽しみ。映像を見ると素晴らしい選手だが、しっかり勝って次に進みます」と必勝宣言。バロッソも「フィジカルもメンタルも充実している。どんな展開でも対応できる練習をしてきた」と自信ありげに語った。

現在のWBA同級王者は8月3日にベルトを巻いたばかりのホセ・バレンズエラ(26=アメリカ)。14勝(9KO)2敗の戦績を持ち、平岡と同じサウスポーだが、決して難攻不落の王者ではない。

日本人にとって重いクラスで世界を獲るには、比較的与しやすい王者がいるうちにマッチメイクするタイミングも重要だ。平岡はバロッソ戦で中身の濃い勝利を挙げ、一気にバレンズエラ挑戦に向かいたい。

佐々木尽vsカミル・バラ

東洋太平洋・WBOアジアパシフィックウエルター級2冠王者・佐々木尽(23=八王子中屋)は東洋太平洋8位、WBOアジアパシフィック10位カミル・バラ(35=オーストラリア)との防衛戦に臨む。

佐々木尽とカミル・バラ

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佐々木は日本人初の世界ウェルター級王者を狙うホープ。17勝(16KO)1敗1分けのハードパンチでWBA4位、WBC5位、IBF4位、WBO2位と4団体とも世界ランキング上位につけている。

15勝(8KO)1敗1分けのバラはアマチュア経験も豊富で、プロ唯一の黒星は2017年にジョージ・カンボソス・ジュニア(オーストラリア)に喫したもの。ランキングは低いが、会見で肉体美を披露したようにパワーと経験を併せ持つ。昨年6月以来のリングで約1年3カ月のブランクがあるものの、骨のある相手であることは間違いない。

佐々木が「今回は井上尚弥選手が出場する舞台でアピールするチャンス。対面して負ける気は全くしない」と強気に言い放つと、バラも「番狂わせに期待してほしい」と自信を秘める。

日本人にとっては挑戦すら難しい世界ウェルター級王座。前人未踏の頂点に挑むためにも、佐々木が持ち前のパワーでアピールできるか。

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