ペレスに勝てば世界戦22勝目
プロボクシングのWBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(34=志成)が12月31日に東京・大田区総合体育館で同級8位ホスベル・ペレス(28=ベネズエラ)と初防衛戦に臨む。
6月にジョシュア・フランコ(アメリカ)に判定勝ちしてベルトを奪ってから初めての防衛戦だが、 世界戦は25戦目。ミニマム級から4階級を制した井岡は、これまで世界戦だけで21勝(2敗1分け)を挙げており、勝てば自身が持つ日本人最多記録を更新する22勝目となる。
井岡の5日前、12月26日にマーロン・タパレス(フィリピン)と4団体統一戦に臨むWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(30=大橋)は、デビュー以来無敗の25連勝(22KO)で井岡に続いて日本人2人目の4階級制覇。世界戦20連勝(18KO)など数々の日本記録を塗り替えてきたが、世界戦勝利数だけは井岡がトップに君臨している。
井岡は2009年4月、井上は2012年10月にプロデビューし、両者とも早くから世界トップ戦線で活躍してきたため、年数試合ペースではなかなか差が縮まらない。井上がタパレスに勝てば世界戦21勝目で並ぶものの、5日後に井岡が勝てば再び単独トップとなるのだ。
いずれにしても3位の具志堅用高の14勝を大きく引き離しており、2人が近年の日本ボクシング界を代表する王者であることに異論はないだろう。
世界最多記録はフリオ・セサール・チャベスの31勝
世界に目を向けると上には上がいる。世界戦最多勝利はスーパーフェザー級からスーパーライト級まで3階級制覇したフリオ・セサール・チャベスの31勝(4敗2分け)。プロボクシング史上歴代3位の89連勝をマークし、1993年の試合でアステカ・スタジアムに観客13万人を動員したこともあるメキシコの英雄だ。
2位は井上尚弥が2014年に2回KO勝ちしてWBOスーパーフライ級を奪ったオマール・ナルバエスの28勝(3敗1分け)。井上には完敗したもののフライ級王座を16度、スーパーフライ級王座を11度防衛したアルゼンチンの2階級王者だ。
3位は5階級制覇し、50戦無敗のまま引退したフロイド・メイウェザー・ジュニア(アメリカ)の26勝。引退後に来日してエキシビションマッチで那須川天心を倒したことで日本でも有名になったが、現役時代は本場ラスベガスで何度もスーパーファイトのリングに立った最強ボクサーだった。
今も最多防衛記録の25度防衛を果たした元世界ヘビー級王者ジョー・ルイス(アメリカ)も26勝(1敗)で並ぶ。いずれも世界のボクシング史に名を残した名王者ばかりだが、井岡も記録の上では肩を並べるまであと少しのところに来ている。恒例の大晦日世界戦で22勝目となるか注目だ。
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