「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

元K-1王者・武居由樹バンタム級転向へ手応え、井上尚弥と入れ替わりで世界狙う

2023 7/28 06:00SPAIA編集部
武居由樹,ⒸSECOND CAREER
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSECOND CAREER

フィリピンバンタム級王者を3回KO

プロボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級王者・武居由樹(27=大橋)がバンタム級転向へ手応えをつかんだ。25日に行われた井上尚弥-スティーブン・フルトンのアンダーカードで、フィリピンバンタム級王者ロニー・バルドナド(27)と対戦。左ボディーブロー一発で3回1分8秒KO勝ちを収めた。

総合格闘技「K-1」から転向して7戦目は試金石の一戦だった。現在、WBC10位、IBF11位などスーパーバンタム級でランク入りしているが、今回はバンタム級リミット(53.5キロ)に近い54.0キロ契約。井上尚弥がスーパーバンタム級王座を獲得し、次戦で4団体統一を狙うため、同門の武居はより世界挑戦のチャンスが多いバンタム級へ下げることも視野に入れているわけだ。

試合はバルドナドのタフネスに手を焼くかと思われたが、見事なノックアウトを見せたことで俄然、期待が膨らんできた。「スーパーバンタム級でやるよりもすごく調子がよかった。バンタム級でも狙っていきたいと思う。バンタム級か、スーパーバンタム級か、チャンスがある方を狙っていきたい」とコメントしており、当面は“両面待ち”で世界挑戦の機会をうかがうことになりそうだ。

井上尚弥に倒された選手がバンタム級で“敗者復活戦”

井上尚弥が返上したバンタム級は後継王者が続々と決まっている。WBAは尚弥の弟・拓真(27=大橋)、WBOは尚弥に7回KO負けしたジェイソン・モロニー(32=オーストラリア)がビンセント・アストロラビオ(26=フィリピン)との決定戦を制してベルトを巻いている。

WBCは7月29日(日本時間30日)に尚弥と2度の激闘を繰り広げたノニト ドネア(40=フィリピン)が、米ラスベガスでアレハンドロ・サンティアゴ・バリオス(27=メキシコ)と空位の王座決定戦。IBFは8月12日(日本時間13日)に2位エマヌエル・ロドリゲス(30=プエルトリコ)と3位メルビン・ロペス(25=ニカラグア)が決定戦を行うと伝えられている。

ロドリゲスは2019年のワールドスーパーボクシングシリーズ(WBSS)準決勝で尚弥に2回TKO負けしており、モロニ―やドネアも含めてバンタム級は“敗者復活戦”の様相を呈している。

モンスターがかき集めた4本のベルトは再び世界各国に散らばっている。そのうちの一角に武居がくい込むことができるか。7連続KOのサウスポーが真価を問われるのはこれからだ。

【関連記事】
井上尚弥をより輝かせた前王者スティーブン・フルトンの強さとずる賢さ
井上尚弥、見えてきた2階級で4団体統一のその先は?フェザー級転向は急がず防衛を
井上尚弥の次なるターゲット、マーロン・タパレスの実力は?WBA・IBFスーパーバンタム級新王者