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那須川天心のボクシングデビュー戦、村田諒太と長谷川穂積の予想は?

2023 4/6 06:00SPAIA編集部
那須川天心,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

4月8日の天心デビュー戦は5試合中3試合目

キックボクシングからボクシングに転向した那須川天心(24=帝拳)が4月8日、東京・有明アリーナでデビュー戦(スーパーバンタム級6回戦)に臨む。

相手は日本バンタム級2位・与那覇勇気(32=真正)。プロボクサーとしては新人の天心がいきなり日本ランカーと対戦するのは異例中の異例だが、今後を占う上で試金石となる一戦だろう。

当初は世界戦を差し置いてメインイベントとして実施されるのではと予想されたが、天心の試合は5試合中3試合目に決定。メインはWBA・WBCライトフライ級王者・寺地拳四朗(31=B.M.B)の防衛戦、セミファイナルは 井上拓真(27=大橋) が出場するWBAバンタム級王座決定戦となった。

独占ライブ配信する「Amazonプライムビデオ」では「4・8那須川天心デビュー戦直前スペシャル」と題した特別番組のエピソード3として、引退を発表したばかりの元世界ミドル級王者・村田諒太と与那覇のジムの先輩にあたる元3階級世界王者・長谷川穂積が見どころを語っている。

村田「緊張感のある試合になる」、長谷川「噛み合う」

村田は那須川天心の有利と明言。「スピードが違うから。サウスポースタイルという特異性がこの試合を支配するのが一般的な予想。与那覇が勝つとしたら一発を当てること。その一発に懸けてくると思うんで、緊張感のある試合になる」と試合展開をイメージした。

与那覇は12勝(8KO)4敗1分けと突出した戦績ではないが、沖縄尚学高時代には選抜大会バンタム級で優勝。東洋大時代には東洋大職員だった村田の指導も受けている。村田は帝拳ジムでは天心の先輩にあたり、両者ともに縁のある選手なのだ。

一方の長谷川は両者のスタイルの違いから「噛み合う」と予想。「与那覇は僕の後輩で、合宿も何回も一緒に行ってる。ボクシングに対しては真面目。勝てば一気に自分も有名になったり、いいお金をもらえるようになるんで、人生を懸けて仕上げてくる。それに那須川天心選手がどう応えるかが見どころ」と攻める与那覇をマタドールのようにかわす天心が仕留められるかどうかをポイントに挙げた。

天心はキックボクシングで42戦全勝(28KO)とパーフェクトレコードを誇ったが、似て非なるボクシングにどこまで適応できるかが分かれ目だろう。

村田は「キックの選手とスパーリングすると、長い距離は手より足が届くんで、逆に手は短い距離で打ちがち。長い距離のパンチは不得意な感じがする」と一般的な印象を語る。ただ、天心については「そういったところをしっかり調整できている。パンチで長いところを打てている」とロングレンジでのパンチの交換も心配ないことを強調した。

ラスベガスで元世界王者と互角スパー

番組内では、天心がラスベガス合宿で元WBOスーパーバンタム級王者アンジェロ・レオ(アメリカ)と行ったスパーリングの映像も放映。長谷川が「与那覇と似てる」と証言する元世界王者と互角にわたり合う様子が紹介されている。

村田は「相手のスキをつくのがうまい。一瞬の速さが素晴らしい。元世界チャンピオン相手でも十分に出ていた」と天心のスパーを高評価。長谷川は「キックは3ラウンドですが、今回は6ラウンド。上に行けばもっと長い。長いラウンドでの戦い方。つまり、引き出しがなくなるとジリ貧になっていく」と今後の課題を挙げた。

番組内で天心は「勝つのは絶対ですけど、みんなが注目してるのはKOなんで、KOで勝ちますよ、新人なんで」とKO宣言して自らにプレッシャーをかけている。

世界戦以上に注目を集める「神童」のデビュー戦。判定勝ちではファンも納得しないだろう。焦点は何ラウンドで仕留めるかだ。格闘技界のスターが挑む「第2章」のゴングがもうすぐ鳴る。

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