ゴンサレスが統一戦キャンセルで防衛戦に変更
プロボクシングのWBA・WBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(31=B.M.B)が4月8日、東京・有明アリーナでWBAフライ級2位アンソニー・オラスクアガ(24=アメリカ)とWBC2度目、WBAは初の防衛戦を行う。
当初はWBO同級王者ジョナサン・ゴンサレス(31=プエルトリコ)との3団体統一戦が予定されていたが、ゴンサレスがマイコプラズマ肺炎を患ったためキャンセル。急遽、代役としてオラスクアガと防衛戦を行うことに決まった。
オラスクアガは元々4月15日に韓国で白石聖(26=志成)と51.9キロ契約の8回戦を戦う予定だったため、3月13日から東京都内で調整していたが、突然舞い込んだ世界戦のオファーを快諾。試合が1週間早まった上、ライトフライ級(48.9キロ)まで3キロも余分に減量する必要があるが、またとないチャンスに意気込んでいる。
オラスクアガは中谷潤人の元ジムメート
オラスクアガは5戦5勝(3KO)。寺地にしてみれば統一戦でなくなっただけでなく、わずか5戦しかしていない相手との防衛戦だとモチベーションが下がりかねないが、決して侮ってはいけない相手だ。
アメリカの名トレーナー、ルディ・エルナンデスの指導を受け、5月20日にWBOスーパーフライ級王座決定戦に臨む中谷潤人(25=M.T)が渡米した10代の頃からともに汗を流してきた。寺地も渡米した際にスパーリングを行ったことがあるという。
オラスクアガはアマチュアとして目指していた東京五輪出場を逃し、プロ転向3戦目で世界ランク入り。2022年10月には元WBCスーパーフライ級王者ジェシー・ロドリゲス(23=アメリカ)とも戦ったことのあるマルコ・サステイタ(アメリカ)に1回TKO勝ちして5連勝を飾った。
ガードを高く保ち、フライ級とは思えない力感あふれるパンチを振るうハードパンチャー。ディフェンスマスターの寺地もまともにもらうと立っていられる保証はない。
那須川天心から“主役”奪えるか
とはいえ、4団体統一を目指す寺地もここで負けるわけにはいかない。WBO王者ゴンサレスやIBF王者シベナティ・ノンティンガ(24=南アフリカ)との統一戦も、今回の防衛戦をクリアしてこそ道が開けるからだ。
前回、WBAスーパー王者だった京口紘人(29=ワタナベ)との統一戦では見事な7回TKO勝利で評価を高めた。今回は同じリングで井上拓真(27=大橋)がリボリオ・ソリス(41=ベネズエラ)と戦うWBAバンタム級王座決定戦や、キックボクシングからボクシングに転向した那須川天心のデビュー戦が行われる。
「格」では寺地が最上位のはずだが、世間の注目度では天心の方が高い。寺地が難敵を攻略して堂々と“主役”を張ることができるか注目だ。
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