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井上尚弥とジョン・ヨンファさんがボクシングで交流、大橋ジムが日韓の架け橋に

2023 2/22 06:00SPAIA編集部
井上尚弥とCNBLUEのジョン・ヨンファさん,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

井上尚弥がインスタグラムでツーショット公開

プロボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者で現WBC・WBOスーパーバンタム級1位・井上尚弥(29=大橋)が韓国のロックバンド「CNBLUE」のジョン・ヨンファさんとマスボクシングで交流した。

井上が自身のインスタグラムでヨンファさんとのツーショットを公開し、「ジョン・ヨンファさんがジムに会いに来てくれました!!ボクシングが好きでトレーニングもされてるみたいで上手でした。今度はLIVEにお邪魔させていただきます」と投稿。所属ジムの大橋秀行会長(57)も自身のオフィシャルブログに写真入りで紹介している。

日本のプロボクサーと韓流スターという意外な交遊録だが、大橋会長は韓国で興行を開催するなど太いパイプを持つ。2月18日にはソウルで第2回フェニックスバトル・ソウル大会を開き、東洋太平洋スーパーバンタム級王者・武居由樹(26=大橋)が韓国同級2位チャン・ドンフンとエキシビションマッチのリングに上がり、井上尚弥もセコンドとして参加している。

大橋会長は現役時代から韓国と縁が深い。「150年に1人の天才」と謳われ、1986年12月にプロデビュー7戦目でWBCライトフライ級王者・張正九に韓国で挑戦。5回TKO負けして当時の最速世界奪取記録はならなかった。

1988年6月には東京・後楽園ホールで張正九に再挑戦し、王者にカウンターをクリーンヒットしてダウン寸前に追い込みながら8回TKO負け。張正九は15度目の防衛を果たした。

その後、1990年2月に3度目の世界挑戦でついにWBCミニマム級王座を奪った時も相手は韓国の崔漸煥。王座陥落後、1992年10月にWBAミニマム級王座を奪取したのも韓国の崔煕庸からだった。

2度の激闘を繰り広げた張正九とは引退後も交流が続き、自身のSNSではたびたびツーショット写真を投稿して仲睦まじい様子を披露している。

低迷続く韓国ボクシング界

日本ボクシング界は井上尚弥を筆頭に海外からも高く評価されるボクサーが増えて盛り上がりを見せているが、韓国ボクシング界は長らく低迷している。

WBCフェザー級王者だった池仁珍がベルトを剥奪された2007年以来、世界王者はゼロ。1980年代から90年代の韓国には「コリアンファイター」と呼ばれたエネルギッシュな選手が多く、日本以上に多くの世界王者を抱えるボクシング王国だった。何度も対戦して韓国人ボクサーの強さを肌で知る大橋会長も、韓国の現状は寂しいだろう。

プロ野球でも韓国からNPBに移籍する選手はめっきり少なくなった。2002年にサッカーの日韓共催ワールドカップが開かれた頃に比べると、スポーツにおける両国間の交流は減っている。

政治的背景は別にして、アジアの強国同士がお互いに切磋琢磨してきた歴史を振り返ると、どんなスポーツでも人気、実力を上げるには強いライバルの存在が不可欠だ。大橋会長の取り組みが結果的に日韓の架け橋となり、韓国ボクシング界復活の一助となることを期待したい。

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