4団体統一しても慢心は一切なし
プロボクシングの元世界ミニマム級、ライトフライ級王者・京口紘人(29=ワタナベ)が自身のYouTubeチャンネルで、世界バンタム級王座を4団体統一し、現WBOスーパーバンタム級1位にランクされる井上尚弥(29=大橋)との会食で話した内容を明かした。
京口が「衝撃だった」と明かしたのが、バンタム級で4団体統一しても「自信を持てないんだよね」と井上が打ち明けたこと。世界で最も権威のあるボクシング専門誌「ザ・リング」でパウンド・フォー・パウンド1位にランクされるなど、全階級を通じて「世界最強」の呼び声も高い前統一王者が、今も自信を持てないことに驚いたという。
続けて「スーパーバンタムで4団体統一できれば自信持てると思うんだよね」と話したことに「こいつは何を言ってるんだ?」と目が点になったとも言っている。井上に「慢心」の2文字は一切なく、勝ち続けてもまだ強くなれると感じているからこそ「自信を持てない」という発言につながったのだろう。
同い年の井上の言葉を聞いて「恥ずかしくなった」と京口は正直に吐露。「俯瞰的に見れてるんじゃないですかね」と井上を評し、苦笑いで「怖くなった」とも語っている。
京口も無敗で2階級制覇した元王者だが、2022年11月に寺地拳四朗(31=B.M.B)とのライトフライ級統一戦に敗れてプロ初黒星を喫した。「自分もフライ級に上げてチャレンジ」と井上に負けじと3階級制覇に挑む意思を明かしている。
「ネリとやってもカシメロが勝つと思う」
また、話題はWBCスーパーバンタム級8位にランクインしたジョンリエル・カシメロ(33=フィリピン)についても及んだという。井上はカシメロを高評価しており、「カシメロ強いと思うよ。ネリとやってもカシメロが勝つと思う」と語っていたことを明かした。
カシメロはWBOバンタム級王者時代に盛んに井上を挑発していたものの、度重なる試合キャンセルなどで王座を剥奪され、井上との対戦は実現していない。1年以上のブランクを作っていたが、2022年12月に赤穂亮(36=横浜光)に2回KO勝ちして世界戦線に再浮上している。
一方、現WBCスーパーバンタム級1位のルイス・ネリ(28=メキシコ)は、日本で山中慎介からバンタム級タイトルを奪い、計量オーバーなどで騒がせた「悪童」として知られ、井上とスーパーバンタム級で対戦する可能性もあるハードパンチャー。しかし、「モンスター」はそのネリ以上に、カシメロに一目置いているわけだ。
現時点ではベルトを持っていないカシメロと井上が対戦する可能性は極めて低いものの、カシメロがランキングを上げてきた場合やタイトルを奪った場合は対戦相手候補として浮上する可能性もある。いずれにしても今後のスーパーバンタム級戦線から目が離せないだろう。
会食ではファイトマネーについても、ざっくばらんに話したという。「目ん玉が飛び出ましたね。すげーなーと思いました」と京口。2022年12月に井上が4団体統一を果たしたポール・バトラー戦は最低保証で3億円だったことが一部で報じられており、軽量級では破格の稼ぎっぷりに驚いた様子だった。
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