大晦日は9勝(6KO)1敗の井岡一翔
プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(33=志成)がWBA同級王者ジョシュア・フランコ(27=アメリカ)と12月31日に東京・大田区総合体育館で王座統一戦を行う。
井岡が大晦日のリングに上がるのはこれが11度目。過去9勝(6KO)1敗と抜群の安定感で1年を締めくくってきた。
初めて大晦日に戦ったのが2012年12月31日だった。八重樫東(大橋)との激闘を制して統一したミニマム級王座を返上し、2階級制覇を狙ってWBAライトフライ級王座決定戦でホセ・アルフレド・ロドリゲス(メキシコ)と対戦。計3度のダウンを奪って6回TKO勝ちし、当時日本選手最速の11戦目で2階級制覇を果たした。
翌2013年大晦日は同王座3度目の防衛戦。フェリックス・アルバラード(ニカラグア)に3-0の判定勝ちだった。井岡はこの試合後にベルトを返上し、フライ級に転向。しかし、2014年5月のIBFフライ級王者アムナット・ルエンロン(タイ)戦に判定負けして3階級制覇はならなかった。
2014年大晦日はジャン・ピエロ・ペレス(ベネズエラ)を迎えてのノンタイトル戦。5回KOで弾みをつけると、翌2015年4月にファン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)に判定勝ちし、当時世界最速の18戦目で3階級制覇を達成した。
2015年大晦日には、そのファン・カルロス・レベコとの再戦に11回TKO勝ちし、2度目の防衛を果たした。
2019年大晦日に4階級制覇
2016年大晦日はWBAフライ級暫定王者スタンプ・キャットニワット(タイ)に7回TKO勝ちして4度目の防衛に成功した。しかし、翌2017年4月に5度目の防衛を果たすと、井岡はタイトルを返上。2017年大晦日に引退を電撃発表した。
歌手の谷村奈南と結婚したばかりで様々な憶測を呼んだが、7か月後には現役復帰を表明。2018年9月に米カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムでマックウィリアムズ・アローヨに10回判定勝ちしてWBCスーパーフライ級シルバー王座を獲得した。
2018年大晦日にはマカオでドニー・ニエテスとWBOスーパーフライ級王座決定戦を行ったが、判定負けで4階級制覇はならなかった。
しかし、2019年6月にニエテスの返上したWBO世界スーパーフライ級王座をアストン・パリクテと争い、10回1分46秒TKO勝ちで日本男子初の4階級制覇を達成。同年大晦日には、ジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)に判定勝ちで初防衛に成功した。
勝てば日本初の2階級で統一王者
2020年大晦日が井岡の名を上げた田中恒成(畑中)戦だった。無敗で3階級制覇し、井岡の最速記録をことごとく塗り替えてきた田中を有利と見る声もあったが、結果は8回に見事な左フックでTKO勝利。見応えのあるノックアウト劇で、世界で最も権威があるとされるアメリカのボクシング誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンドランキングで井岡は10位にランクされた。
2021年大晦日は当初、IBFスーパーフライ級王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との統一戦を行う予定だったが、新型コロナウィルスの感染拡大によりアンカハスが入国できなくなったためキャンセル。代役挑戦者の同級6位・福永亮次(角海老宝石)に判定勝ちで4度目の防衛に成功した。
井岡はプロ31戦のうち10戦を大晦日に行っている。村田諒太(帝拳)がゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と激闘を演じ、井上尚弥(大橋)が4団体統一するなど話題の多かった2022年のボクシング界。井岡がフランコ戦に勝利して大晦日10勝目、プロ通算30勝目で1年を締めくくるか。勝てば日本初の2階級で統一王者となる大一番に注目だ。
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