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井上尚弥の前座でも「大橋軍団」全勝、平岡アンディ世界アピール

2022 12/15 06:00SPAIA編集部
平岡アンディ,ⒸPXB WORLD SPIRITS/フェニックスバトル・パートナーズ
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ⒸPXB WORLD SPIRITS/フェニックスバトル・パートナーズ

ハードパンチャー平岡アンディが8回TKOでV4

プロボクシングの世界バンタム級4団体統一戦が行われた12月13日、井上尚弥(29=大橋)対ポール・バトラー(34=イギリス)のセミファイナルで、WBOアジアスーパーライト級王者・平岡アンディ(26=大橋)がWBCアジアウエルター級シルバー王者・誼敏虎(ジュン・ミンホ=韓国)に8回TKO勝ちし、4度目の防衛を果たした。

試合は静かな立ち上がりだったが、サウスポーの平岡が強打で徐々にペースをつかむ。8回に左アッパーで誼敏虎の顎をはね上げて最初のダウン。立ち上がった1階級上のシルバー王者を鮮やかな左フックで倒した。

ガーナ出身の父親と日本人の母親の間に生まれた平岡は、これでデビュー以来無傷の22連勝(17KO)。2019年にアメリカの大手プロモート会社・トップランクと契約したホープは現在WBC18位、IBF9位、WBO14位にランクされており、世界挑戦のチャンスも迫っている。

スーパーライト級は過去に藤猛、浜田剛史、平仲明信の3人しか世界王者が誕生していないが、ハイレベルの世界トップ戦線に割って入るか。来年は勝負の1年となりそうだ。

清水聡1年半ぶりリングで復活TKO勝利

ほかにもアンダーカードでは大橋ジムの精鋭が次々とリングに上がった。ロンドン五輪バンタム級銅メダリストで、現東洋太平洋フェザー級王者の清水聡(36=大橋)は2021年5月以来、1年半ぶりのリング。ランディ・クリス・レオン(フィリピン)に2回終了TKO勝ちして久々の勝ち名乗りを受けた。

身長180センチとフェザー級トップクラスの長身から繰り出す左ストレートは威力抜群。相手をたった2回でギブアップさせ、「(3ラウンド制の)アマ時代を思い出した」と苦笑いした。

同じロンドン五輪金メダリストからプロ転向した村田諒太は、すでに2回も世界王者となっている。清水も36歳という年齢を考えれば、世界まで最短距離で駆け上がりたい。

TKO勝ちした清水聡

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井上尚弥の弟・拓真はバンタム級で世界へ

井上尚弥の弟で、元WBC世界バンタム級暫定王者の井上拓真(26=大橋)はジェイク・ボルネア(27=フィリピン)に8回TKO勝ちした。

ボルネアは双子の兄弟にIBFスーパーフライ級1位のジェイド・ボルネアがおり、兄弟ボクサー同士の対決。立ち上がりから的確なパンチでペースをつかみ、ボルネアの左目上をカットさせる。ダウンシーンこそなかったものの、8回にドクターストップがかかり、TKOとなった。

現在スーパーバンタム級のWBOアジアパシフィック王座を持っているが、兄・尚弥がスーパーバンタム級に転向すれば、拓真はバンタム級に戻す方向。すでにWBAではバンタム級2位にランクされており、空位となった王座決定戦のチャンスが巡ってくる可能性は十分にある。兄弟同時世界王者となる日を目指して、拓真も来年は勝負の1年となりそうだ。

ボルネアを下した井上拓真

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武居由樹は6連続KOで東洋太平洋王座を初防衛

東洋太平洋スーパーバンタム級王者・武居由樹(26=大橋)はブルーノ・タリモ(27=タンザニア)に11回TKO勝利で初防衛戦に成功した。

ひたすら前進するタリモを迎え撃った武居だが、1回に偶然のバッティングで左目上をカット。その後にダウンを奪うと、距離を取りながら終始、試合を支配した。なかなか倒れない挑戦者のタフネスに手を焼いたものの、強烈なパンチでタリモの右目上を切り裂き、11回にドクターストップを呼び込んだ。

これでK-1からボクシングに転向して以来無敗の6連続KO。これまでで最も長いラウンドを戦ったことはいい経験になっただろう。

現在、WBCスーパーバンタム級14位。井上尚弥も参戦する階級で世界のチャンスをつかむのは簡単ではないが、来年はその足掛かりをつかみたい。

タリモを下した武居由樹

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