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井上尚弥の前半KO勝ち予想が60%超!番狂わせが起こるとすれば?

2022 12/13 06:00SPAIA編集部
井上尚弥とポール・バトラー,ⒸPXB WORLD SPIRITS/フェニックスバトル・パートナーズ
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ⒸPXB WORLD SPIRITS/フェニックスバトル・パートナーズ

「井上尚弥1~4回KO勝ち」が60.3%

プロボクシングのWBA・WBC・IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(29=大橋)がWBO同級王者ポール・バトラー(34=イギリス)と戦う4団体統一戦は12月13日に東京・有明アリーナで行われる。

SPAIA公式ツイッター(https://twitter.com/SPAIAJP)では勝敗予想アンケートを実施。井上尚弥有利の予想から「井上尚弥1~4回KO勝ち」「井上尚弥5~8回KO勝ち」「井上尚弥9~12回KO勝ち」「それ以外」の4択とした。

結果は「井上尚弥1~4回KO勝ち」が60.3%で最多。「井上尚弥5~8回KO勝ち」が32.8%で、9割以上は中盤までに井上がKO勝ちすると見ている。

「井上尚弥9~12回KO勝ち」は3.4%。井上尚弥の判定勝ち、引き分け、バトラーのKO勝ちと判定勝ちを含む「それ以外」も3.4%しかなかった。やはり「モンスター」のこれまでの勝ちっぷりに加え、バトラーが実力的に格下と見られているため「苦戦」を予想することすら難しいと考えるファンが多いようだ。

東京ドームでKO負けしたマイク・タイソン

ただ、何が起こるか分からないのがボクシング。たった一発のパンチで大逆転が起こり得ることは歴史が証明している。特に23戦全勝(20KO)の井上のように、無敗の選手が負けることを予想するのは難しい。

日本のリングで起きた史上最大の番狂わせはマイク・タイソンがKO負けした世界ヘビー級タイトルマッチだろう。1990年2月11日、3団体統一王者だったタイソンはWBCが10度目、WBAが9度目、IBFが7度目となる防衛戦を東京ドームで行った。

東京ドームのリングに上がるのは1988年3月21日のトニー・タッブス戦に続いて2度目。その時はたった2回で終わらせ、ヘビー級のボクシングを観る機会の少ない日本のファンを震撼させた。

ジェームス・ダグラスを迎えた1990年2月時点で、タイソンの戦績は37戦全勝(33KO)。リングサイド15万円のチケットも完売し、誰もがタイソンのKO勝ちを信じて疑わなかった。

しかし、序盤からリズムをつかめないタイソンは徐々に劣勢に追い込まれる。8回に起死回生の右アッパーでダウンを奪ったものの、ダグラスは辛くも立ち上がり、迎えた10回、ダグラスのコンビネーションを浴びたタイソンは背中から倒れた。

吐き出したマウスピースを拾い上げて口にくわえ、どうにか立ち上がろうとしたが、レフェリーは10カウント。実況アナウンサーは「歴史が変わりました!」と絶叫し、アメリカ時間に合わせて日本のお昼に生中継されたテレビの平均視聴率は、驚異の38.3%をマークした。

1回目は30グラムオーバーも再計量でクリア

誰もが予想しなかったKO負けには伏線があった。デビューから無敗のまま史上最年少の20歳5カ月で世界ヘビー級王者となったタイソンは、プロモーターのドン・キングと契約してから長年指導を受けてきたトレーナーのケビン・ルーニーを突然解雇。周囲はドン・キングの息のかかったスタッフで固められ、トレーニングへの姿勢や私生活が荒れるようになっていたのだ。

「カネのなる木」に群がった大人が世間知らずの青年を少しずつ蝕み、ベストコンディションとは程遠い状態でリングに上がったタイソンは負けるべくして負けた。世間的には大番狂わせと見られたが、実は起きるべくして起きたノックアウト劇だった。

しかし、井上尚弥は父・真吾トレーナーの指導を受け、相手を常に「過大評価」して試合に臨む。これまでどんな相手でも確実に結果を残してきたことからも油断や慢心はないだろう。12日に行われた前日計量では、1度目はバンタム級リミット(53.52キロ)を30グラムオーバーして一瞬ヒヤリとさせたが、少し間を置いた再計量では53.45キロでクリアした。

「最後はきつかったですけど、まあまあ順調に仕上がったなと思います。ここから明日の試合までリカバリーをしっかりして、いいイメージでリングに上がれればと思います」と厳しい減量を終えてホッとした様子が伝わるコメントを発表した。

ベストコンディションでリングに上がれば井上に負ける要素はほとんどない。怖いのはノニト・ドネア戦でカットした古傷の右まぶたを再び切ることや試合中に拳を痛めるなどのアクシデント。あとはバトラーのワンパンチでダウンすることなどだが、ボクシングIQの高い井上がミスを犯す可能性は低い。

dTVおよび、ひかりTVで独占配信される世界バンタム級4団体統一戦。日本初、世界でも9人目の偉業の瞬間はもうすぐ訪れる。

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