【DAY2前半】SR渋谷、サクレの得点を皮切りに出だしからリードを広げる
SR渋谷はDAY1で三遠を93-85で下し、連勝をかけてDAY2に臨んだ
先制こそ三遠#15鈴木達也に譲ったが、SR渋谷は#6ロバート・サクレの得点を皮切りに、#9ベンドラメ礼生、#14杉浦佑成が続けて3pを沈める。そして#7伊藤駿がディフェンスリバウンドから速攻でリズムをつかむと、ベントラメのアシストを受けたサクレが2本連続で得点してリードを9点とした。
三遠もタイムアウトをきっかけに、#11岡田慎吾の3pなどで4点差まで詰めるが、終盤SR渋谷は#34ライアン・ケリー、#24広瀬健太のレイアップ、そして#0満原優樹がコーナーからシュートを決めて10点リードで1Qを終了する。

2Qに入って、#32山内盛久の得点から動き出し、サクレが好守備を見せたが、広瀬と山内にオフェンスファウルがコールされて、相手に攻撃権を渡す展開になる。そして、三遠に#5川島勇人、#45ウィリアム・マクドナルドの得点で差を詰められたところで、SR渋谷伊佐勉HCはタイムアウトを請求。
SR渋谷はこのタイムアウトで流れを掴みなおし、満原の得点で再度10点差に。オフィシャルタイムアウトを挟んだ後は、ケリーがレイアップを含む3本のシュートを決めて点差を広げていく。終盤に向けて、SR渋谷はベントラメがスティールからファストブレイクを決めるなど、優位に試合を動かし13点リードで前半を終了する。
【DAY2後半】伊藤、山内、ベントラメのスリーガードでギアチェンジに成功
後半3Qに入っても点差がつまらないまま、SR渋谷は残り4分59秒に杉浦を下げて伊藤をコートに戻し、山内、ベントラメとスリーガード体制を敷いた。
ペースが良くなったSR渋谷は、伊藤とケリーが速攻から得点を重ね、さらにケリーはベントラメからのアシストをダンクで入れ、サクレもバスケットカウントを成功させてリードを広げる。結局SR渋谷は、21点リードで2Qを終了。

4Qに入っても、SR渋谷ペースで試合は進む。#22長谷川智也の3p2本などでリードはさらに広がっていく。オフィシャルタイムアウト以降は、#3ファイ・サンバがバックショットなど3連続で得点して勝負を決定づける。
終盤は、ケリーやベントラメもベンチに下げて、#2秋葉真司をコートに入れて全員出場を果たすなど、余裕の試合運び。結局80-57でSR渋谷は三遠を下し、このカード2連勝とした。
「オフェンスですっきりして、ディフェンスに臨めている」伊藤駿
DAY1ではハイスコアゲームを制していたSR渋谷は、この日も80点を獲得し、攻撃面で大きな手応えを感じていた。
「リングアタックを優先に考えていこう」との伊佐HCの指示に選手がしっかり応えた格好だ。ペイントエリアでの52得点はまさにそれを表している。
前半で波に乗ったSR渋谷は、後半に入っても戦術面で緩むことはなかった。3Q残り4分59秒に、いったんベンチに下がっていた伊藤をコートに戻し、山内、ベントラメと3人のポイントガードがコートに入る「スリーガード」の体制を取っていた。
伊佐HCは「そろそろ人とボールが止まる時間帯だと思っていて、3人だけでもガチャガチャして動き回るようにと考えていた。守備については、マッチアップに苦しむことはなさそうだったので、4Qに良い流れがつながったので良かった」とスリーガードの意図と成果を話す。

伊藤もベントラメも、スリーガードについては「練習では一度も試したこともない」と口をそろえる。
伊藤は「変な話、ガードとやるとやりやすい。フォワードやセンターの気持ちがわかるポジションでもあるし、3人ともやりたいこと、意思疎通もわかっていると思うので、本当にやりやすかった。守備に関しても、違和感なくやれた。苦になるマッチアップでもなく、『いやな構成』ではなかった」と満足そうにコメントした。
実際、これでチームのギアが上がった印象もあった。
「自分がプッシュしなくても、他の2人がプッシュしてくれる。チームがポジションを埋めるというのはあるので、ポジション取りは問題なくできていた」と続けた。
ベントラメも「3人ともボールを運べるので負担は減る。より速い展開にもっていけたかなと思う」とこちらも手応えを感じているようだった。
「オフェンスがすっきりして、ディフェンスに良い状態で臨めている」
伊佐新体制になり、特にオフェンスで得点を稼げるようになっていた。伊藤も「そうですね。平均10点以上は多く稼げている。かなり良くなっていると実感している」と声のトーンも高い。
「ライアン(・ケリー)が入ったことも大きいが、ムーさん(伊佐HC)がやりたいバスケ、みんなでボールシェアして、みんなで攻めるというのが、チームみんなに合っている。今のシステムの方がチームとして機能している」と話す。
システムの変化として「適材適所になった」と伊藤は一言で表現した。「オフェンスでリズムに乗れなくて、(それが)ディフェンスに影響しているというのが、これまで多かったけど、それが無くなった」とシステムにストレスが無くなったことを強調する。
ヘッドコーチの掲げるバスケスタイルが、チームにフィットしていないと意味がない。
「オフェンスがすっきりして、(いい状態で)ディフェンスに臨めている」伊藤の発言は、まさにコーチと選手がともに歩みを進めている証拠でもある。
開幕当初から、昨季の悪い部分を引きずる形で迎えて、ヘッドコーチ交代にまで発展したSR渋谷。しかし、伊佐HCが選手に合ったバスケスタイルを模索し、ここにきてようやく光が差し込んできたということだ。
「波に乗りかけているし、もうわかっていると思う。それを、自分たちで手にすることが、これからワンステップ上がるためには必要で、結果として勝つことが一番証明できるし、そこにどん欲にならないといけない。相手が崩れたのもあるが、崩れるように仕向けたのは自分たち。チームで守れたし、チームで攻められたし、チーム力がギュッと高まるような勝ちだった」と伊藤はこのように総括した。
チーム力を確実に上げてきたSR渋谷。これからリーグ戦後半を迎える中で、どこまで上位と戦うことができるか、注目したい。