「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【Bリーグ第14節】最後まで集中したA東京 馬場が勝利をもたらす

2018 12/19 15:03マンティー・チダ
Bリーグ,アルバルク東京,馬場雄大,Ⓒマンティー・チダ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒマンティー・チダ

【DAY1前半】竹内譲次がバスケットカウントとダンクでチームの逆転に貢献

出だしは互角にスタートするものの、A東京のターンオーバーから攻撃権を獲得した千葉は、#27石井講祐が3p、#2富樫勇樹も超高速ドリブルからフローターを決めて5点リードとする。しかしここでA東京はタイムアウトを挟むと、#6馬場雄大のブロックショットが決まるなど、5点ビハインドで喰らいついていく。

1Q残り4分51秒、千葉が石井のスティールから富樫が3pを沈めて点差を広げると、富樫の得点ショーが開幕。フローターから始まり、アウトサイドで3pを沈め、ペイントエリアにアタックし再びフローターを決めるなど、1Qだけで富樫に14得点を挙げられ、千葉に5点リードされ1Qを終えた。

Bリーグ,アルバルク東京,馬場雄大,Ⓒマンティー・チダ

Ⓒマンティー・チダ


2Qに入って、A東京は#7正中岳城のレイアップで立ち上がりを決めるが、暫くスコアが動かない展開となる。A東京は3点ビハインドのまま進んでいたが、#15竹内譲次がスティールからバスケットカウントを成功させて同点に。その後千葉の#31原修太に好守備をされるものの、A東京は竹内がダンクを叩き込み、この日初めて勝ち越しをした。千葉の#21ギャビン・エドワーズに一度は同点とされるシーンもあったが、A東京は#51ミルコ・ビエリツァのタップシュート、竹内のバスケットカウントで得点を重ね4点リードとした。千葉も終盤に#5田口成浩の3pで追いすがるが、A東京が2点リードで前半を終了する。

【DAY1後半】馬場雄大が豪快なダンクから集中力を増し千葉を振り切る

A東京は後半立ち上がりから、千葉にゾーンディフェンスを敷かれるが、竹内が積極的にペイントエリアにアタックしてディフェンスファウルを獲得。確実にフリースローを2本そろえると、#3安藤誓哉も得点。ここで前半あまり目立っていなかった馬場が、ペイントアタックからディフェンスファウルをもらい、フリースローを2本揃えると、直後の守備でもスティールを見せて、徐々に持ち味を出していく。その後、千葉に同点まで追い上げられるが、馬場が豪快なダンクを叩き込み、A東京は再びリード。しかし、千葉の#10アキ・チェンバースに同点のシュートを決められると、エドワーズのダンク、富樫も3pを沈めるなど、5点ビハインドとなったところで、残り5分4秒にA東京はタイムアウトを請求する。

A東京は、馬場、ビエリツァの得点などで振り出しに戻し、カークのレイアップで逆転に成功。しかし千葉もエドワーズの得点などで、3Qは結局同点で終えた。

Bリーグ,アルバルク東京,馬場雄大,Ⓒマンティー・チダ

Ⓒマンティー・チダ


4Qに入ると、馬場がエンジン全開でレイアップを沈めるなど4点を獲得。さらに馬場のスティールから、カークがダンクを決めて点差を広げていく。オフィシャルタイムアウト後、4点リードとしたA東京だったが、攻撃で精彩を欠き、ショットクロックバイオレーションで相手に攻撃権を渡すと、千葉の#3マイケル・パーカーに3pを沈められ、1点差に詰め寄られる。そして千葉にゾーンディフェンスを敷かれたA東京だったが、このタイミングでコートに入った#10ザック・バランスキーが3pを決めて、千葉に傾きかけた流れを止めると、ビエリツァがポストプレーから得点をするなど、A東京が徐々にリードを広げていく。終盤、千葉にファウルゲームを仕掛けられたが、A東京が逃げ切った。

「千葉と試合するときは、最後の1秒まで戦いだと思っている」馬場雄大

A東京と千葉は、昨季のチャンピオンシップファイナルで覇権を争い、今回は東地区2位(千葉)と3位(A東京)としての対戦。8連勝中と上り調子の千葉に対して、前節栃木を下したA東京がどう戦っていくのかが注目された。

試合終了後の会見で、千葉・大野篤史HCは「お互いに集中して、自分たちの強みをA東京が消そうとし、自分たちがA東京の強みを消そうとした好ゲームだった」と語る。A東京・ルカ・パヴィチェヴィッチHCも「強いゲームを戦った結果、勝つことができた。良いライバルチームとの戦いかなと思っている」と千葉を称え、お互い勝敗関係なく、満足度の高いゲームができたようだ。

試合も、終始拮抗した展開が続き、会場となった駒沢オリンピック公園総合運動場体育館では大きな盛り上がりを見せた。

1Qで千葉・富樫勇樹が超高速ドリブルで、相手に的を絞らせない動きを見せて14得点を挙げれば、後半になると、A東京・馬場雄大が存在を大きくする。前半は得点面でもそれほど目立っていなかったが、3Qで魅せた豪快なダンクから、徐々に得点に絡んでいく。

「途中、流れが行ったり来たりする中で、集中できたのは良かった。前半、千葉にハードにやられていたが、後半絶対にずれが出てくると思っていた。常に狙っているところでもあった」と、馬場は前半からこのような心境で試合に臨んでいた。

3Qが終わった時点で57-57となり、4Qを迎える前に、A東京・パヴィチェヴィッチHCは「終盤はシューター陣にオープンにさせない。オフェンスリバウンド、セカンドチャンスを与えない。走るチームなので、トランディションディフェンスで戻ること。ハーフコートになったら、富樫を中心としたピック&ロールに対する守備を徹底的にする。簡単に富樫やスクリーナー(エドワーズやパーカー)などに与えない事」と千葉のストロングポイントを確認するように、シンプルな指示を出していた。

そして、馬場は4Qに入ると更に勢いを増していく。「千葉と試合するときは、最後の1秒まで戦いだと思っているので、この10分間、本当に大切だと思い入った。さらに1段ギアを上げないと、自分たちのリズムにならないと思い、4Qに入る前から準備をしていた」と話す。

試合終盤に向けて、馬場の動きがどんどん良くなっていくのが目に見えてわかった。40分間試合に集中することができるか、馬場が試合で実践し結果もついてきた。

最後に、この試合で想定と違うところを質問すると、馬場が富樫の話を笑いながら始めた。ちょうど話し始めたタイミングで側を富樫が通り過ぎていく。

「富樫に結構遊ばれちゃって、あいつの好きなようにやられた。ファイナルはそこを止めることができたので、あれだけの点差になった。安藤さんもファイナルの時と同じディフェンスをしていたが、富樫の調子によるので、厄介である」と会心の動きを見せた富樫には脱帽するしかなかったようだ。

Bリーグ,アルバルク東京,馬場雄大,Ⓒマンティー・チダ

Ⓒマンティー・チダ


DAY2は千葉が勝利を収め、このカードは1勝1敗になった。A東京とすれば、千葉のストロングポイント(トランディションゲーム、富樫のピック&ロール、エドワーズのポストプレー、パーカーのオフェンスリバウンド)と共に、如何に富樫を自由にさせないかも勝利の鍵になりそうだ。