3PシュートとしつこいDFでペース引き寄せた比江島
開幕週にB1初昇格の群馬クレインサンダーズに延長の末、まさかの連敗を喫した宇都宮ブレックス。雪辱に燃えるB1初代王者はチームを建て直すことができるのか。
第2週は横浜ビー・コルセアーズに2連勝とさすがの試合を見せた強豪・川崎ブレイブサンダースをホームに迎えた。昨年チャンピオンシップのセミファイナルと同じカードとなった試合に注目が集まった。
宇都宮はライアン・ロシター、ジェフ・ギブスら長年チームを支えた選手が抜けたシーズン。柱となるのは日本代表SGの比江島慎だ。今夏の東京オリンピックでも活躍した日本を代表するシューターの活躍にかかる比重は大きかった。
試合が開始するとアイザック・フォトゥへアリウープパスを決めた比江島。比江島と言えば3ポイントシュート。直後に左からの3ポイントシュートを決めると、今度はしつこいディフェンスで川崎を自由にさせず、24秒バイオレーションでターンノーバーを奪う。その後もブロックショットを記録するなど、いつもよりも高い守備の意識を垣間見せた。
チームは第1Qで15対20、第2Qで29対30と差を詰めて試合を折り返した。第2Q終了間際の比江島の3ポイントシュートはこれ以上ない時間帯でのシュートで、点差を一気に1まで縮めることになった。
比江島はディフェンスでもボールに絡む活躍で徐々に試合のペースを引き寄せた。喜多川修平のジャンパー、竹内公輔のジャンパー、遠藤祐亮の3ポイントシュートも大きかった。
強豪川崎に危なげない試合運び
第3Qに入り比江島のシュートはさらに冴えを見せる。鵤誠司の3ポイントシュートなどで川崎に追いすがり、極めつけは比江島が左から3ポイントシュートを決める。これで逆転し、得点は37対35。ここから宇都宮は一度もリードを奪われることなく戦っていくこととなる。
直後、またも比江島のディフェンスが川崎のトラベリングを誘発。竹内が川崎ニック・ファジーカスをブロックショット、ジョシュ・スコット、フォトゥのインサイドコンビのゴール下シュートが続き、宇都宮は有利に試合を展開する。
比江島から遠藤への絶妙のゴール下パスで得点を重ね、比江島は川崎のパスをデフレクトしてボールを奪い、味方の攻撃につなげた。
第4Qに入っても、宇都宮は竹内、スコットがゴール下のシュートでバスケットカウントを奪いボーナスショットを獲得。フォトゥも立て続けにシュートを決め、新スコアラーに名乗りを上げた。
比江島のプレーにもとどまることがない。ゴール下でチェイス・フィーラーに絶妙のアシストパスを出すと、自身もベースラインをドリブルしてのゴールを決め、縦横無尽にコートを駆け回る。最後も鵤、遠藤がファウルをもらい、加点。危なげない試合内容で77対68で強豪川崎を下し、2021-22シーズン初勝利を挙げた。
今後は外国人の融合に期待
比江島はチーム3位の13点を挙げるとともに、チーム2位の5リバウンド、チーム1位タイの6アシストとオールラウンドな活躍を見せた。チームリーダーとして自らの背中でチームを導いていく役割を期待されている比江島にとってこの上ないプレー内容だった。
比江島のシュートはさることながら、いつにもまして積極的なディフェンスへの意識が、窮地にあったチームを救ったと言って過言ではない。こうした目に見えないチームへの貢献度が意味を持つのだ。
今後比江島に期待されるのは、やや影が薄いフィーラーをより活躍させること、昨年の新人王テープス海のプレーの安定度を鵤並みに高めていくことだろう。
毎年厳しい戦いが続くB1東地区を勝ち抜くためには、新しい戦力を融合していくことが必要不可欠である。外国人以外は去年と変わらない顔ぶれを維持した宇都宮にとって、外国人の融合こそが求められている。
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