三遠戦で寺園脩斗を先発起用
昨季B1リーグ東地区最下位に沈んだレバンガ北海道。その再建の担い手として白羽の矢が立ったのが佐古賢一ヘッドコーチだった。
広島ドラゴンフライズの初代ヘッドコーチだが、2011年に引退するまで日本バスケットボール界に君臨した「ミスター・バスケットボール」とも呼ばれた伝説的ポイントガードであり、折茂武彦レバンガ北海道代表と同時代に活躍した名選手であった。奇しくも同じチームで戦うことのなかった両氏が今年、北の大地でタッグを組んだ。
北海道の補強の目玉はポイントガードの寺園脩斗。三遠ネオフェニックスの前キャプテンである。北海道には橋本竜馬というキャプテンを務めるポイントガードが在籍しており、この2人をどう並び立たせるのか注目された。
その三遠を迎えて24日に行われたプレシーズンマッチ。試す意味も大きかったのだろうが、寺園が先発起用され、多くのプレータイムをもらっていた。前日の第1戦も6得点、10リバウンドと目立つ活躍を見せていた寺園。前日の試合では開始早々にファウルがかさんだこともあり、ベテランの桜井良太がポイントガードをする時間も長かったが、この日は橋本と2人でポイントガードを回していた。
寺園の持ち味はスピードあふれるボール運びと、自ら得点を狙っていく積極性にある。対する橋本はキャプテンということもあって周りの選手を鼓舞しながらボールを運び、得点を決めさせていた。特にこの日は寺園が好調だったこともあり、その得点力が目立った。
寺園のパス冴え渡り見事に連勝
ショーン・ロングとデモン・ブルックスの両新加入外国人選手が北海道の核となる。前日はロングとブルックスが非常に好調だったこともあって大差をつけて勝ったのだが、この日は三遠も修正してきて、攻撃を封じていた。そのため、前半は41対35の三遠リードで折り返すこととなった。
後半に入るとロングとブルックスのゴール下での存在感も増し始め、寺園から効果的なパスが通るようになってきた。第4Qに入っても寺園のパスは冴え渡り、ロングへのアリウープ・ダンクを演出するなどした。
極めつけは、山口颯斗への3ポイントシュートのアシスト。ファウルももらって4点プレーとし、試合の流れを確固たるものとした。前日に比べ苦戦の印象があったものの、終わってみれば85対78の完勝で見事2連戦を連勝で飾ることができた。
タイムアウト中も情熱的なトークの佐古HC
北海道のメンバーは質が高く、中野司、山口のスタメン陣は常に得点を決めており、交代出場の牧全、葛原大智も持ち味を見せていた。課題は外国人の交代選手で日本人の玉木祥護が入りオンザコート1になる時間帯でファウルがかさんでしまい、玉木が長い時間プレーできなかったことだろう。
外国出身選手がスタメンの2人とダニエル・ミラーしかおらず帰化選手が在籍していないチーム事情なので、日本人ビッグマンの玉木にかかる期待は大きい。プレータイムを伸ばすためにもファウルをせず守れるようになることが大切だ。
寺園自身もチームトップの9アシストはもちろん、得点力でもチーム3位の16ポイントを記録し絶好調だった。三遠にいたときよりも伸び伸びとプレーしている感があるのは、控えに橋本がいる安心感があるのかもしれない。タレント豊富な周囲を活かすポイントガードのプレーに期待が集まる。
1週間後に控えたシーズン開幕後にどのようなメンバーで戦っていくのか、佐古ヘッドコーチの采配に注目だ。
タイムアウト中のベンチでも情熱的なトークが印象的だった佐古ヘッドコーチ。同じようなプレースタイルで戦う橋本がプレータイムを伸ばすかもしれない。伝説的ポイントガードがどのように選手を起用していくのか、北海道の今季の戦いに影響していきそうだ。
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