新潟時代に2年連続得点王も近年はアシスト増加
開幕週からいきなり昨季のチャンピオンシップホーム開催を争った大阪エヴェッサとシーホース三河の対戦が実現したBリーグ。強豪チーム同士の争いで盛り上がることが必至の好カードとなった。
シーホース三河のエースは何と言ってもダバンテ・ガードナー。在籍3シーズン目を迎える。前所属の新潟アルビレックスBBでは驚異的な1試合平均28.7点、27.6点を挙げて2年連続得点王に輝いている点取り屋である。
名門の三河は2019年の比江島慎(現宇都宮ブレックス)に続き、昨シーズンのリーグMVP金丸晃輔が今オフに島根スサノオマジックに移籍し、ガードナーに対する期待は否が応でも高まっている。
ただ、三河に来てからのガードナーはプレースタイルに変化が見られ、得点力は新潟時代より落ちているもののアシストが増え、より周囲を活かすようになっている。30歳となりプレーに円熟味が出てきたガードナーがどのようなプレーを見せてくれるのか注目が集まった。
大阪エヴェッサに第2戦は完勝
67対70で惜敗した10月2日の第1戦ではガードナーがチーム1位の16点、11リバウンドと活躍。ようやく試合後半にはゴリゴリと貪欲にゴールを狙うかつてのプレーが戻ってきたが、前半は自分で得点を稼ぐ姿は皆無だった。代わって新たに両ウイングで活躍する角野亮伍、西田優大を全面に押し立ててのプレーに徹していた。
大阪エヴェッサは身長207cmの竹内譲次を先発起用するビッグラインナップで、アイラ・ブラウンをスモールフォワードで戦っていた。10月3日の第2戦でも竹内が先発起用され、大阪の大きなラインナップに対する対抗策が注目された。
第2戦でも前半から得点を取りにはいくものの、角野、西田の援護に回る姿が印象的だったガードナー。特に角野はこの日絶好調で2ポイント、3ポイントと面白いようにシュートが決まる。
また、昨日から好調のポイントガード、長野誠史がこの日も10得点。途中出場からチームに勢いを与えていた。昨日ファウルに苦しんでいたカイル・コリンズワースも長野と2人で的確に攻撃をリードしチームに勢いを与えていた。
金丸がいなくなり、チームのエースは現日本代表のパワーフォワード、シェーファーアヴィ幸樹に移っている。シェーファーとガードナーのフロントコート陣でチームを支える構造となっている。ガードナーは派手さは失われたが、より堅実なプレーぶりでチームに貢献している。
6点差で迎えた第4Q、好調の角野に加えジェロード・ユトフ、西田、長野と立て続けに得点を決めた三河は点差を見る見るうちに開いていく。さすがの横綱相撲で90対72と勝利した三河。強豪大阪相手の完勝ぶりに今年も高い戦力を伺わせた。
悲願の優勝へ必要なガードナーの見えない貢献
ガードナーはチーム3位タイの15得点、チーム3位の7リバウンド、チーム2位の7アシストという内容だった。そこにはかつての点取り屋の面影は全く無かったが、ここぞという場面での3ポイントシュートは威力抜群で、相手チームにとって脅威なのは間違いない。
スポットライトを奪ったのは好調だった角野。チーム1位の23得点は自己最高の数字だった。弱冠25歳、プロ2年目の若者が、新エースに名乗りを上げた試合だった。もし今後もこのような活躍を続けられるようであれば、三河は金丸の穴をさほど感じずに戦っていけるかもしれない。西田も22歳と若いラインナップでの戦いが続くが、楽しみが尽きない今季の三河である。
一躍、チームリーダーとしての存在感が増したガードナー。彼の存在が角野、西田、シェーファーという若い日本人の活躍に直結している。Bリーグが開幕してからまだ頂点に立っていない三河にとって悲願の優勝につながるのは、ガードナーの目に見えない貢献と言えるだろう。
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