5年前のBリーグ開幕戦と同一カード
バスケットボールのB1リーグ2021-22シーズンが開幕した。昨季から2チーム増となる計22チームで優勝を争う今季。東京五輪で女子日本代表が銀メダルに輝き、東京パラリンピックでも男子日本代表が銀メダルを獲得したこともあり、バスケ熱が高まっている中で注目のシーズンとなりそうだ。
2016年9月22日、23日に国立代々木第一体育館で開催された歴史的なBリーグの開幕戦と同じカード。5年前はアルバルク東京が80対75、74対53と連勝し強さを見せた。琉球ゴールデンキングスはその時からチームに残るのは岸本隆一、現キャプテンの田代直希だけで、顔ぶれはガラッと変わっている。沖縄アリーナに舞台を変えて開催された今回は、琉球がリベンジなるのかが注目された。
9月30日の第1戦では常にA東京がリードしながら、琉球が最大15点差をひっくり返し63対62で勝利。琉球は昨年までで見ればチームで主力のドウェイン・エヴァンス、ジャック・クーリー、並里成、今村佳太、田代、岸本が残り、4年連続B1リーグ西地区優勝の屋台骨が残った状態である。
対するA東京は昨年キャプテンの安藤誓哉、須田侑太郎、竹内譲次、津山尚大らが移籍し全く違うチームに生まれ変わった感がある。昨年A東京はB1東地区6位に沈み、初めてチャンピオンシップ進出を逃している。
再建を期するシーズン、新加入選手はファイナルMVPのセバスチャン・サイズにシューターの安藤周人とレベルは高いのだが、このメンバーをどのようにまとめていくのか、同じく新加入選手のライアン・ロシターのリーダーシップにかかる期待が大きかった。
ロシターは日本国籍を取得し、日本代表でもプレー。前宇都宮ブレックスで、今季A東京に移籍してきた。第1戦では無得点だったがチーム1位の8リバウンド、スター軍団を影で支える役割を自ら担っているように見えた。
2年連続リバウンド王のクーリーが10リバウンド
第2戦の10月2日は試合開始早々に2ファウルを受けてチームのエース田中大貴とともにファウルトラブルとなり、琉球に優位に試合を進められて得点は40対34となった。
第3Qに入り田中、ロシターが加わったフルメンバーになると、A東京は怒涛の反撃を開始。田中の得点で逆転すると、ロシターの3ポイントシュートで48対42まで点差を広げて一転優位に試合を展開する。昨季新人賞ベストファイブに選出された小酒部泰暉も効果的なプレーで貢献した。
しかし第4Q、琉球は岸本得意の3ポイントシュートにエースのエヴァンスのダンクシュートも決まり、すぐに試合を振り出しに戻す。その後も立て続けに岸本が3ポイントシュートを決めるなど優位に試合を展開し、82対75で連勝を飾った。
過去2年連続リバウンド王のクーリーがこの日もゴール下でにらみをきかせ10リバウンド、頼もしい活躍でチームの勝利を支えていた。2連敗から5年後、琉球が2連勝したことには隔世の感がある。
A東京ロシターも存在感
対するロシターもこの日もチーム1位の8リバウンドを記録し気を吐いた。さらにこの日は第1戦では鳴りを潜めた得点力も11得点と好成績をマークし、存在感を発揮した。ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチのチーム作りはまだまだ途上だと見て取れ、ロシターには今後のさらなる活躍が期待される。
第1戦で10得点だったサイズは、この日さすがの21得点を稼ぎチームを牽引した。ロシターのリバウンドからサイズへ、勝利への青写真は出来上がりつつある。
1戦目もターンオーバーが前半わずかに4、試合通して11個、2戦目のターンオーバーも11個だったA東京。レベルの高い個々の力を背景に堅実に戦うチームのスタイルが今年も浸透しているように見えた。後は新加入選手がチームに馴染み、本来の力を発揮するだけだ。
安藤も第2Qの3ポイントシュートなど、さすがの能力の高さを見せている。アレックス・カークが後半わずか4得点に終わっており、他の選手とのコンビネーションに課題を残した。
先発した菊地祥平は無得点、わずか6分強の出場ということでチームに貢献することができなかった。第1Q、第3Qの後半から戦線投入されているサイズと役割が入れ替わることになるかもしれない。次節の戦いが今から楽しみだ。
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