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【Bリーグ】齋藤拓実が流れ変えた!名古屋Dが横綱相撲で群馬に貫録勝ち

2021 9/14 11:00窪島亮
齋藤拓実,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ショーン・デニス新HC就任の名古屋D

琉球ゴールデンキングス、大阪エヴェッサ、シーホース三河と強豪チームがひしめくB1リーグ西地区にあってBリーグチャンピオンシップに過去2年連続で出場することができていない名古屋ダイヤモンドドルフィンズ。進出している2年もともに1回戦で琉球に敗れており、チャンピオンシップ進出のみならず打倒琉球に期待が集まっている。

今季、ショーン・デニス新ヘッドコーチが就任。外国人選手は総入れ替えとなり、2015年以来チームの顔であったジャスティン・バーレルも仙台89ersへ移籍した。

一方で日本人選手は基本的に同じ顔ぶれであったが、ポイントガードで大阪エヴェッサから伊藤達哉を補強。すでにポイントガードでは齋藤拓実という昨季1試合平均12.5点(日本人最高)を叩き出す点取り屋がいるだけに、1試合平均21.5アシストを記録していたチームがどこを目指すのか、注目が集まっていた。

開始早々に群馬マイケル・パーカーが3連続ゴール

11日のプレシーズンゲームで今季B2から昇格した群馬クレインサンダーズと対戦した名古屋D。ヘッドコーチも群馬のトーマス・ウィスマンと師弟対決だった。試合が開始すると、群馬のマイケル・パーカーの3連続ゴールで7対0とリードを奪い、B1新顔とは思わせない試合内容で会場のファンを驚かせた。

ポイントガードでは齋藤がスタメンで第1Q5分余りで伊藤を投入。この日の名古屋Dのポイントガードは自分で点を取りに行くことをせず、新加入の外国人選手を徹底して使うことを意識していたように見えた。

するとこの日、絶好調だったシェーン・ウィティングトン、レイ・パークスジュニア、コティ・クラークら外国人選手が3ポイントを連発。昨年B1リーグ3ポイント王の狩野祐介(47.5%)も3ポイントを2本沈めて一気に点差を広げ、第1Qで36対18と勝負あったかに見えた。

第2Qもこの試合展開は大きくは変わらず、クラークの3ポイントシュート、チーム最年長の中務敏宏の3ポイントシュート、菊池真人の3ポイントシュートで点差を広げ、前アルバルク東京の須田侑太郎のドライブ、3ポイントシュートなどで加点し、前半を終わって61対40と大きくリードして試合を折り返した。

追いすがる群馬から主導権を取り戻した齋藤

試合の流れが変わったのが第3Q。トレイ・ジョーンズの3ポイントシュートやゴール下のシュート、エースのジャスティン・キーナンの3ポイントシュートで点差を詰めて第3Q終了時点で76対67と一桁点差に。アキ・チェンバースのシュートや山崎稜の3ポイントシュートで得点を挙げ、さすがの爆発力で楽勝ムードだったドルフィンズアリーナの観客を震え上がらせた。

試合の流れが変わったのは第4Q残り8分40秒で投入された齋藤のプレーだった。意図的に自分で得点に行かず周囲の人材を使っていた齋藤だったが、ここに来て本領を発揮し自分でもゴールを狙うようになって一気に雰囲気が変わり、ゴール下のシュート、3ポイントシュートを決めて再び試合の主導権を名古屋Dに引き寄せた。

群馬もキーナンのシュートで追いすがるが、最終的にはクラークが3ポイントシュートを連発させるとともに、シュートモーションでもファールをもらって得点を重ね、点差を開けていった。最終得点差は108対88。名古屋Dがさすがの横綱相撲で寄り切った形だ。

この試合では小林遥太を含め、名古屋Dのポイントガード陣があえて目立たないようにプレーしていたのが印象的だった。しかし試合の流れを変えたのは齋藤の積極的なプレーであり、伊藤も大阪時代は1試合平均4.9点を挙げていた得点力で貢献しており、フローターのシュートは代名詞だった。次戦以降はポイントガード陣にもより積極的なプレーが求められる。

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