NBA通算得点ランキング 30000点超えは7選手
では、早速NBAの通算得点ランキングをみてみよう。
※今回のランキングはNBAでの得点のみ。ABA/NBAでプレイしている選手の、ABAでの得点は含めない。
2018/02現在
通算30000得点超えは7人。現役選手ではノビツキーとレブロンの2人がランクインしており、現在も記録を更新している。
また、キャリアの平均得点でみてみると、ジョーダンとチェンバレンの2人のみ30点を超えている。ジョーダンはキャリアの途中でMLB(野球)に挑戦したり、3年の引退期間があったりという理由でゲーム数が少なくなっている。
チェンバレンは幾度かの怪我に悩まされ、このランキングで一番試合数が少ない1045ゲームに終わっている。「たられば」ではあるが、この二人が他の選手と同じくらいのゲーム数をプレイしていれば、40000点の大台が記録されていたかもしれない。
【第1位】誰にも止められない"スカイフック"を武器にしたジャバー
NBA通算得点第1位のカリーム・アブドゥル・ジャバーは、218cmの高身長を活かして20年間、第一線で活躍したレジェンドだ。ジャバーはNBAファンの間では有名な無敵の武器を持っていた。それが"スカイフック"だ。
スカイフックとは、通常のフックシュートに彼にしか出来ない工夫を加えたものだった。
まず、フックシュートは体の横から片手でシュートをするもので、主にゴール下のプレイヤーがブロックをされないように使用する技術である。ただでさえブロックが困難なこのシュートを、ジャバーは305cmの高さにあるバスケットリングよりも上空から放つようにしていた。
バスケットのルールではシュートを放ったあと、ボールがリングよりも上にある状態で最高到達点から落下している最中は、ボールに触ってはいけない(得点となる)というルールがある。これがアリになってしまうと、高いレベルではすべてのシュートをゴール手前でブロックできてしまうからだ。
通常のシュートが、放たれた時点から一度上昇して半円を描くようにリングに向かうところを、ジャバーはこのルールを利用してシュートを放った瞬間が最高点になるようにシュートを打っていた。すなわち、スカイフックを打たれたら(ボールが手から離れたら)ブロックは不可、ボールの軌道を見守るしかない。
当然、通常のシュートと違う打ち方なので決めるのが難しいが、ジャバーは完全に自分のものにしており、スカイフックは面白いようにリングに吸い込まれていった。現在までに、スカイフックの使い手といわれるのがジャバーくらいしか挙がらないことも、彼の凄さたる所以だろう。
彼は、バスケット選手としては高齢である38歳頃までこのスカイフックを武器に、平均得点20点オーバーを17シーズン連続で記録していた。
安定してゴールを決める”メイルマン”ことカール・マローン
通算得点第2位のカール・マローンは、その屈強な身体を活かして活躍した1990年代のレジェンドだ。彼のあだ名で一番有名なのはメイルマン(郵便配達人)だ。このあだ名は、マローンが郵便配達人のように、確実にボールをリングに配達するという意味で名付けられた。そのあだ名通り、通算得点第2位の36928点という大記録を成し遂げた。
彼は主にゴール下で活躍したが、中距離のシュートなども上手く、時折速攻の先頭を走る「動けるビッグマン」であった。そして彼の得点をことごとく生み出したのが、盟友ストックトンとのピック&ロールだった。ピック&ロールはバスケットでは基本の戦術で、日本でも小学生・中学生の時点で教わるものだ。マローンとストックトンのそれは、「わかっていても止められない」と言われるほど、シンプルで強力なものだった。
このピック&ロールを駆使し、マローンは通算得点歴代2位、ストックトンは通算アシスト歴代1位と、記録でも記憶でも"最強デュオ"の名をほしいままにした。さらに彼は、欠場が少なく“鉄人”の異名でも知られており、そのゲーム数の多さも通算得点に貢献している。
レブロンは史上初の40000点に到達できるのか?
現在、通算得点第7位のレブロンは2018年1月に史上最年少で30000点を記録した。これはコービーが持っていた記録より1歳以上若い、今までに類を見ないペースだ。
ここでひとつ、NBAファンとしての希望のような疑問が湧いてくる。それは「レブロンは40000点を記録できるのか?」という点である。早速結論から述べるが、私の意見は「達成できる」である。ではその理由を説明していこう。
レブロンは2018年2月19日現在33歳(52日)である。昨シーズンまでの通算レギュラーシーズン欠場数は71で、1シーズン平均77ゲームに出場している。今シーズンも77試合に出場すると考えると、あと21試合出場することとなる。その21試合を彼のキャリア平均得点27点で計算すると、今シーズン終了時点で30840点前後になると予想できる。
40000点まではあと9160点必要だ。この9160点を27点で割ると、約339試合あれば40000点に到達できる計算となる。339試合をレブロンの1シーズンのゲーム出場平均77ゲームで割ると、4.4シーズン後の2021-22または2022-23シーズン中に達成する見込みだ。
2022-23シーズンのレブロンは38歳になる年だが、今までのレブロンのコンディションを考えると、ぎりぎり第1線で活躍しているだろう。もしも、得点や出場のペースが落ちたとしても、身体のケアに抜かりのないレブロンは40歳前後までプレイできるだろう。
そう計算すると、レブロンの40000点はかなり現実味のある話として、通用するのではないだろうか。なにより、史上初の40000点に到達できる可能性のある選手をリアルタイムで見られる我々は運がいい。