5年目で1試合自己最多36点、高まる存在感
米プロバスケットボールNBAは後半戦に入り、西カンファレンスでリーグ最多タイ優勝回数を誇るレイカーズの八村塁が存在感を飛躍的に高めつつある。
前半戦最後のゲームとなった2月14日の敵地ソルトレークシティーでのジャズ戦では、33分38秒プレーしてNBA5年目でキャリア最多の36得点、2リバウンドとエンジン全開。レギュラーシーズン82試合の長丁場の戦いで奮闘を続ける。
制限付きフリーエージェント(FA)になった今季は開幕前にレイカーズと3年総額5100万ドル(約76億円)と報じられた破格の内容で再契約したが、シーズン序盤は鼻骨骨折や左ふくらはぎの肉離れで計14試合を欠場。それでも年明けからエンジンがかかり出し、ウィザーズ時代よりプレーの引き出しを増やして二枚看板のレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスを効果的な働きで支えている。
今季は3月6日現在で50試合に出場し、スタメン出場は21回。3月2日の本拠地ロサンゼルスでのナゲッツ戦では12試合連続先発出場し、36分50秒プレーして23得点、3リバウンドだった。
この試合で、NBAの最多得点記録を持つエースで39歳のレブロン・ジェームズは26得点を挙げ、前人未踏のNBA通算4万得点の大台に到達している。
さらに3月6日のキングス戦では29得点、2リバウンド、2スティール、1ブロックと大車輪の活躍を見せた。
3点シュート成功率は41%超え
昨季はシーズン途中にウィザーズからレイカーズへ移籍。レギュラーシーズンは自己最多の計63試合出場で、1試合平均11.2点を記録し、プレーオフでは日本選手初のカンファレンス決勝進出を果たした。
今季のNBAデータを見ると、3月7日現在で八村のフィールドゴール成功率52.5%は過去4シーズンを上回り、3点シュート成功率は41.5%とこちらも成長を物語る数字だ。
1試合平均12.5得点はまだ波があるものの、平均リバウンドは3.7本。ディフェンスでも体の強さを生かし、自身のテーマに置く「アグレッシブ」なプレーが目立つ。
パリ五輪出場ならホーキンソン、渡邊雄太らと夢の布陣
八村はパリ五輪の出場権が懸かった2023年8~9月の男子ワールドカップ(W杯)は、NBAの新シーズンに向けた準備を優先するため代表入りを辞退している。
今夏の祭典へ本場米国から参戦の可能性はあるのか―。2月8日に26歳の誕生日を迎えた八村は現地で報道陣に「オリンピックのことも考えていきたい」と前向きな姿勢を示したと伝えられている。
男子日本代表のトム・ホーバス監督も八村がチームに加われば「別次元のチームになる」と歓迎の意向だ。身長203センチの八村、208センチのホーキンソン(SR渋谷)、206センチの渡辺雄太(グリズリーズ)と並ぶ布陣を思い描く。
ベスト8を目標に掲げる花の都、パリでどんな化学反応が起こるのか。注目が高まりそうだ。
【関連記事】
・パリ五輪決めた!バスケットボール男子日本代表の五輪成績、世界の壁に阻まれ続けた苦闘の歴史
・バスケ男子日本代表が中国に88年ぶり勝利!FIBAアジアカップ2025予選
・パリ五輪で金メダル期待!バスケットボール女子日本代表の強さ裏付けるデータ