アジア勢最高の19位でパリ五輪出場権獲得
バスケットボール男子日本代表は2日、沖縄市・沖縄アリーナで行われたワールドカップ(W杯)順位決定リーグ・グループOの最終戦でカーボベルデと対戦し、80-71で勝利。これによりアジア勢最高位となる19位が確定し、団体競技としては第1号となるパリ五輪の出場権を獲得した。
順位決定リーグの1戦目で世界ランク17位のベネズエラを破り、1976年モントリオール五輪以来48年ぶりの自力での出場まであと1勝に迫っていた日本。世界ランク64位のカーボベルデ相手に前半からリードを奪い試合を優位に進め、第4Qにカーボベルデの猛攻にあうも何とかしのぎ、リードを守り切った。
カーボベルデ戦の注目度の高さはスポーツくじ「WINNER」の売上にも表れていた。売上金額は1690万600円で、今大会最高を記録したオーストラリア戦の2012万5600円に次ぐ2位。ドイツ戦1389万2400円、フィンランド戦1195万2000円を大きく上回り、同日に行われたフィンランド-ベネズエラ戦の141万400円の10倍以上だった。
結果は“3番人気”の「日本勝利7~9点差」で最終払戻倍率は4.3倍、当せん金額は860円。日本の勝利予想が多く、「日本勝利10~14点差」が“1番人気”、「日本勝利15~19点差」が“2番人気”だった。今大会初めての格下相手ということもあり、日本有利と見るファンが多かったようだ。
日替わりヒーローが躍動
カーボベルデ戦はジョシュ・ホーキンソンが魅せた。フリースローで先制点を奪うと、2点ビハインドで迎えた第2Qには2本のフリースローと、レイアップシュートで逆転に成功。直後にはこの日2本目の3ポイントも沈め、リードを広げた。
カーボベルデの猛反撃にあった最終Q。相手が身長221センチの大黒柱、ウォルター・タバレスにボールを集める中、ホーキンソンがブロック、ファウル誘発など体を張ってゴールを死守。74-71まで迫られたが、残り49.9秒でまたもホーキンソンの個人技で得点を奪い、そのまま逃げ切った。
ホーキンソンはフル出場でチーム最多の29得点。体を張ったディフェンスでも大きく貢献した。フィンランド戦では河村勇輝、ベネズエラ戦では比江島慎、そしてこの日のホーキンソンと、日替わりでヒーローが誕生した日本。突出した個人の活躍ではなく、チーム力で勝ち取った五輪切符と言えるだろう。
今大会を欠場した八村塁(レイカーズ)もパリ五輪出場へは前向きな姿勢を示している。さらに個のレベルが上がった史上最強メンバーで戦うオリンピックでも、旋風を巻き起こす姿が今から楽しみだ。
〇日本バスケットボール協会 三屋裕子会長コメント
「48年ぶりの自力でのオリンピック出場権獲得、 ホーバスヘッドコーチの熱い指導の下、選手たちが“日本一丸”で本当に良くやってくれました。そして“日本一丸”で応援してくれた皆さまに心より感謝いたします。特に、この沖縄アリーナの満員のファンの皆様の大声援が 間違いなくチームの背中を後押ししてくれたと感じています。
これまで、なかなか国際大会で勝つことができなかった男子日本代表ですが、今回ワールドカップで3勝し、オリンピック出場権を自力で獲得するという結果を得たことは、日本のバスケットボールが一つ階段を上った証だと思います」
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