「国際化」で39カ国から計109人の米国外出身選手
米プロバスケットボールNBAの2021~2022年シーズンが10月19日、開幕した。
リーグ創設75周年の節目。八村塁が所属するウィザーズは10月20日、敵地トロントでのレギュラーシーズン開幕戦で渡辺雄太のラプターズに98―83で勝ち、白星スタートを切った。八村は調整の遅れでチームに同行せず、渡辺は左ふくらはぎの張りのため欠場した。
各チームのロースター(登録選手)を見ると、日本勢はウィザーズの八村、ラプターズの渡辺の2人。39カ国から計109人の米国外出身選手が名を連ねた。
国別では18人のカナダが最多で、オーストラリア、フランス、ドイツがいずれも7人で続いた。ナイジェリア、セルビア、スペイン、トルコが5人と続く。かつては大半が米国籍の選手だったが、近年のNBAは「国際化」の流れが顕著だ。
8月にはウォリアーズがエースガードのステフィン・カリーと新たに4年総額2億1500万ドル(約234億円)で契約延長に合意。選手の平均年俸は8億円を超えるとされ、世界のプロスポーツリーグで最も高い。プレーさえ評価されれば、人気と実力を兼ね備えたスター選手になれる夢のような土壌がある。
3季目の八村はPO進出目標
日本選手として初めてNBAドラフトで1巡目指名を受け、3季目を迎える八村は所属する東カンファレンスのウィザーズで2季連続のプレーオフ(PO)進出が現実的な目標だ。
昨季は57試合に出場し、1試合平均13.8得点。期待された東京五輪は3連敗に終わったが、アンセルド新監督は「経験がこのチームに役立つと思う」とさらなる進化を期待される。
オフに司令塔のウエストブルックがレーカーズに移籍し、フォワードのクーズマら新顔が加入してチームの顔ぶれも入れ替わった。エースのビールは健在で、八村には評価の高い守備面に加え、新戦力との融合で攻撃でもゴール下での力強い働きが求められそうだ。
しかし個人的な事情でオープン戦を欠場。個人練習を開始しているが、出遅れが今後にどう響くか。すんなり先発の定位置に戻れるとは限らない厳しい世界。試練のシーズンになる可能性もある。
渡辺は3点シュートと守備力で猛アピール
渡辺のラプターズは7シーズン続いたPO進出を昨季逃し、再建を図るシーズンだ。チーム別では10人の米国外出身選手を抱えてリーグ最多。昨季途中に本契約を結んだ渡辺はNBA4季目を迎え、生き残りを懸けて攻守両面で今季も存在感を示したい。
得意の守備力に加え、3点シュートの精度が高まり、昨季は50試合に出場して1試合平均4.4得点、3.2リバウンドをマーク。マークがさらに厳しくなる中で、攻撃のバリエーションを増やすことが勝負となる今季の課題でもある。
東京五輪では日本代表の主将としても活躍。開幕戦は左ふくらはぎの張りで欠場したが、ナース監督からの信頼は厚い。
今季は82試合制、NBA決勝は2022年6月
昨季は新型コロナウイルスの影響でレギュラーシーズンが72試合に短縮されたが、今季は従来通りの82試合制で争われ、2022年4月10日まで続く。プレーオフは4月16日に開始。頂点を争うNBA決勝は2022年6月2日からの予定だ。
東カンファレンスは2連覇を目指すバックスと、デュラントやハーデンらスター選手の集うネッツが優勝争いをリード。西カンファレンスは覇権奪回を目指すレーカーズ、昨季NBA決勝に進んだサンズ、ジャズなどを軸に混戦模様とみられる。
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