死球をぶつけたチェコ代表のエスカラに謝罪
熱戦が続く第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)で心温まる出来事があった。日本代表「侍ジャパン」の佐々木朗希(ロッテ)が先発した11日のチェコ戦(東京ドーム)で死球をぶつけたウィリー・エスカラにお詫びの意味も込めたお菓子を持参して謝罪。仲睦まじい様子で収まったツーショット写真を佐々木がインスタグラムに投稿し、大きな反響が寄せられている。
東日本大震災から12年になる3月11日だった。故郷の岩手県陸前高田市で被災し、津波で父と祖父母を亡くした佐々木は心中期するものがあっただろう。まだ9歳だった朗希少年が今では日本を代表する右腕に成長した姿を、天国の父と祖父母に披露する絶好の機会だった。
初回に1点を失ったものの3回に味方打線が逆転。4回1死で迎えたのがエスカラだった。初球は160キロのストレートが外れたが、159キロのストレート、161キロのストレートで2ストライクを奪い、フォークをファウルされた後の5球目。指にかかりすぎた162キロのストレートが左打席に立つエスカラの左膝付近を直撃した。
四つん這いになって痛がりながら、なんとか立ち上がったエスカラは一塁まで歩くと、突然「大丈夫だ」と言わんばかりにダッシュしてみせた。マウンド上で心配そうな表情を見せていた佐々木は、66球を投げてベンチに下がる際、帽子を取ってエスカラに頭を下げた。