4人で3つの外国人枠を争う
昨シーズンは投手陣の成績が低調に終わり、最下位に沈んだヤクルト。このオフには超大物選手の獲得はないものの、多くの投手を補強している。
新外国人選手としては、先発タイプのガブリエル・イノーアとマット・クックのふたりを獲得した。両投手とも2月19日の練習試合(楽天戦)に登板。クックは2回5失点と苦しんだが、味方のタイムリーエラーも絡んでおり自責点は1。また、許した安打もゴロ安打や詰まったあたりだった。捉えられたあたりというのは見られていない。また、相手選手のバットを2本粉砕した。これは球に力がある証拠でもある。日本のボールやゾーンに対応しストライクゾーンで勝負ができれば、面白い存在となる。
一方で制球にばらつきがあったのは気がかりだ。マイナー通算のBB/9(1試合あたりにいくつ四球を出すか表す指標)は1.9、MLBでも2.2と制球力が売りの投手。しかし、この日は2回で2つの四球を出した。また四球にはならなかったものの、結果的にカウントが悪くなることも多く2回で52球を要している。
一方のイノーアは、150キロを超えるストレートや変化球でゴロを打たせる投球で2回1失点。初登板にしては悪くない内容だった。サイドスローだが、極端なフォームではなく、サイドとスリークォーターの中間くらいだろうか。この時期で最速は151キロを記録しており、シーズンが始まればさらに球速は上がりそう。
クックとイノーアに昨シーズンから残留しているアルバート・スアレスそしてスコット・マクガフの4人で3つの外国人枠(投手)を争うことになる。
ドラフト会議では1位から4位指名までがすべて投手だった。1位の奥川恭伸(星稜高)こそ高卒だが、2位の吉田大喜(日体大)、3位の杉山晃基(創価大)、4位の大西広樹(大阪商業大)と大卒の投手を次々に指名している。3人の大卒投手はこの春季キャンプで一軍スタートを果たしており、首脳陣の期待値は高い。
そんな中、大西も外国人投手と同じく19日の楽天戦に同期一番乗りで登板。ほかの投手たちが乱調で12失点と大敗した試合だったが、大西は1回無失点の好投。2段モーションのようなフォームから、制球良くストレート、変化球ともにまとまっていた。