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秋山翔吾をレッズ監督や地元メディアも高評価、初実戦で見せた生き残るための姿勢

2020 2/25 11:00棗和貴
オープン戦初打席でヒットを放ったシンシナティ・レッズの秋山翔吾

Ⓒゲッティイメージズ

秋山翔吾がさっそく初安打「とても緊張した」

いままで日本人が所属したことがなかった唯一の球団、シンシナティ・レッズで秋山翔吾が実戦デビューを果たした。

秋山は23日、ホワイトソックスとのオープン戦に1番センターで先発出場。1回裏の第1打席でいきなりセンター前ヒットを放った。2回裏の第2打席は、2アウトながらランナー1塁2塁とチャンスの場面だったがセカンドゴロ。4回裏の第3打席、1アウト1塁2塁とまたもチャンスの場面で回ってくるも内野ゴロによるフォースアウト。1塁に残った秋山は、続く2番バッターの打席で盗塁を試みたが失敗に終わった。記念すべきメジャー実戦デビューは3打数1安打。ヒットは出たものの、チャンスの場面では凡退に終わった。

MLBの公式サイトでは試合後の秋山のコメントを掲載。「とても緊張していたけど、最初のヒットを打ててすごく安心した」と率直な感想を口にした。センターの守備に関しても「(打球が)きょうは見づらいということはなかった。アメリカの球場の大半は、外野フライが見づらいというのもわかっているので、太陽の位置も確認しながら、久々に守れたのでそれは進歩かなと思う」と語った。また盗塁の失敗については「試合のなかで、あのような動きができたのは良かったと思う。次は成功できるようにやろうと思う」と前向きだった。

監督や地元新聞はどのように評価したか

MLBの公式サイトによると、レッズのデビッド・ベル監督は秋山の実戦デビューについて「良い感じに見えた。落ち着いているようだったよ」と語ったという。「スプリングトレーニングだけど、最初の打席でヒットが出てプレッシャーが和らいだのは良いこと。確かに彼には特別な感情があったようだが、ゲームの流れにすぐに入れたのは素晴らしい」と述べた。

シンシナティ・エンクワイアラーも秋山の実戦デビューを報じた。この地元メディアが注目していたのは、秋山のスプリングトレーニングの取り組み方だった。

「アリスティデス・アキーノやニック・カステヤノスといったパワーヒッターと同じグループで打撃練習をしていても、秋山がびっくりするようなホームランを打つことはなかった。彼はほとんど左中間や右中間にライナーを飛ばしていた」という。そして「それはデビュー戦で最初の打席に入ったときでも同じだった」と、第1打席で放った右中間へのきれいなシングルヒットは日頃からの意識が結実したものだったと評価した。

アキーノはデビューから122打席で15本塁打という“メジャー最速記録”を持つ若手で、カステヤノスは27歳にしてメジャー通算120本塁打を放っている実績十分な選手だ。サンケイスポーツの報道によると、カステヤノスらと一緒に打撃練習を行った秋山はキャンプ初日の18日、「(彼らのようには)どう頑張っても打てない」と語ったという。

秋山が長打ではなく、確実性を意識したのはメジャーリーグで試合に出続けるために考えた術だったのだろう。自分の役割は1番打者として出塁し、積極的に次の塁を狙う。秋山翔吾のデビュー戦は、彼がメジャーで生き残るための姿勢がよくあらわれていた。

※日付は現地時間

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