年俸600万ドルはチーム7位タイ
昨シーズンまで西武でプレーしていた秋山翔吾は、海外FA権を行使しシンシナティ・レッズと3年総額2100万ドル(約23.1億円/1ドル110円計算、以下同)で契約を締結した。
その契約は均等に年700万ドルというわけではなく、1年目は600万ドル、2年目は700万ドル、3年目は800万ドルと段階を経て上がっていく。また、その他にもタイトルの獲得やオールスターゲームへの出場によってもボーナスがつくという。この内容を見ても、チームが秋山に大きな期待をかけていることがよくわかる。
ちなみに現時点で600万ドル(約6億6千万円)という秋山の年俸は、日本球界の最高年俸である菅野智之(巨人)の6億5000万円(推定)とほぼ同額にも関わらず、チーム内では7位タイにとどまる。昨シーズンのレッズはナショナル・リーグ中地区で4位。2013年以来ポストシーズンから遠ざかっているチームだが、それでも年俸がこれだけ高いのは驚きだ。
ちなみにチーム内の年俸1位はジョーイ・ボットーで2500万ドル、2位はトレバー・バウアーで1750万ドル、以下、マイク・ムスターカス(1200万ドル)、ソニー・グレイ(約1087万ドル)、エウヘニオ・スアレス(約954万ドル)、ライセル・イグレシアス(900万ドル)、ウェイド・マイリー(600万ドル)とつづく。
1位のボットーは日本円にすると約27億5000万円。日本とはまさに桁違いだ。
外野手はセンゼル、アキーノら若手が主体
西武時代の秋山は中堅のポジションがメインだったが、レッズでは中堅固定というわけではない。他の選手との兼ね合いもあり、中堅を含めた外野3ポジションを守る見込みとなっている。
現時点における外野のライバルにはニック・センゼル、ジェシー・ウィンカー、アリスティデス・アキーノ、マイケル・ローレンゼン、フィリップ・アービン、ジョシュ・バンミーターらがいる。実績のあるベテランはおらず、この中では秋山が最年長だ。

昨シーズンを見ると、年間を通じてずば抜けた成績を残した選手はいない。強いて言えば右翼のアキーノだろうか。2018年に1試合のみ出場していたアキーノは、昨シーズン本格的なメジャーデビューを果たした。56試合と出場試合数自体は少ないものの、チーム3位となる19本塁打を記録している。
その本塁打の積み重ね方は驚異的だった。シーズン3試合目で初本塁打を放つと、6試合目から4試合連発。その後も快音は止まらず、デビューから17試合目(2019年16試合目)での11本塁打はメジャー最速記録となった。
秋山の本職である中堅をもっとも多く守ったのはセンゼルだった。センゼルは昨シーズンがメジャーデビューとなったルーキー。2016年ドラフト1巡目(全体2位)の金の卵でもある。目立った成績を残しているわけではないが、2桁本塁打、2桁盗塁を記録しており、秋山の最大のライバルとなりそうだ。
左翼のウィンカーも2012年ドラフト1巡目(全体49位)の有望株。2017年のデビューから着実に出場機会を増やしており、昨シーズンはキャリアハイの成績だった。
また中堅で18試合に出場しているローレンゼンは、救援投手としても73試合に登板している二刀流である。打撃成績がよいわけではないものの、投手と比べると格段に良い。外野3ポジションで守備についているが、中堅が最も多かった。
このようにセンゼル、アキーノ、ウィンカーといったレギュラー候補たちはみな若手の有望株だ。実力が同程度なら若い選手が起用される可能性が高い。秋山には彼らを大きく上回る結果が求められる。
日本が誇る屈指の安打製造機は、異国の地で外野のレギュラー争いを制することができるのだろうか。