山田哲人は既に「20-20」をクリア
8月に入り、シーズンも残すところ40試合前後。優勝や、クライマックス・シリーズ出場への争いが激しくなる時期だ。同時に各種タイトルをはじめ、個人の数字も注目されるようになる。
大きな話題となるのが、打率3割、30本塁打、30盗塁以上の「トリプルスリー」だ。昨シーズンは、自身3度目となるトリプルスリーを達成したヤクルトの山田哲人。今シーズンは8月7日終了時点で、打率.271(373打数101安打)、27本塁打、24盗塁となっており、打率がやや苦しい。2年連続、前人未到4度目の偉業達成となり得るのか。投手陣に疲れが見え始める8月、安打を量産できるのかが鍵となりそうだ。
数字を見てもわかる通り、既に本塁打と盗塁は通過点の20を超えている山田哲。少し物足りなさを感じるかもしれないが、「20本塁打、20盗塁」は決して低くないハードル。それは過去の達成者を振り返るとよくわかる。
過去5年で5人(8回)が到達
昨シーズン、両リーグを通じて20本塁打、20盗塁以上となる「20-20」に到達したのは、山田哲(34本塁打、33盗塁)、とソフトバンクの柳田悠岐(36本塁打、21盗塁)の2人だけ。トリプルスリー達成者の山田哲以外で「20-20」をクリアしたのは、2015年にトリプルスリーを経験した柳田しかいなかったのだ。
「あと一歩で20-20に到達」という選手も少なく。セ・リーグでは糸井嘉男(阪神)が16本塁打、22盗塁を記録、パ・リーグでは外崎修汰(西武)が18本塁打、25盗塁、田中和基(楽天)が18本塁打、21盗塁の成績を残している。いずれもチームを代表する選手だ。
過去5年における20本塁打20盗塁への到達者は下記の5人(8回)のみ。これより、到達がいかに困難なのか理解できるはず。

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今シーズンは外崎修汰と鈴木誠也が射程圏内
今シーズン、「20-20」に到達しそうな選手は、既に本塁打22本でクリアしている鈴木誠也(広島)だ。盗塁数も16と、残り試合数からも到達は十分可能。
そして、昨シーズンは到達まであと2本だった外崎が16本塁打、18盗塁と射程圏内。今シーズンは初の「20-20」達成となるか注目されている。
トリプルスリーと違い名前のある記録ではないが、通過点となる「20-20」の達成者も多くはない。走攻の両立はそれほど難しいということだろう。鈴木と外崎は今シーズン、山田哲に続いて「20-20」に到達できるだろうか。
※数字は2019年8月8日終了時点
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