高卒2年目の村上宗隆が驚異の成績
ヤクルトの大砲候補である村上宗隆が予想以上の活躍を見せている。高卒2年目のシーズンながら開幕スタメンを勝ち取り、ここまで打率.248、9本塁打、26打点と、文句の付けようがない成績。
この9本塁打はチームトップの数字で、筒香嘉智(DeNA)と並びセ・リーグ4位タイ。村上の上には坂本勇人(巨人/12本)とソト(DeNA/11本)、鈴木誠也(広島/10本)の3人しかおらず、実績ある選手たちと堂々と渡り合っている。また、打点はバレンティン(ヤクルト/29点)についで、山田哲人(ヤクルト)と並び2位タイ。まさに主軸としてチームに大きく貢献している。
そして、村上には本塁打と打点以外にも優れた数字がある。それはBB%と呼ばれる指標だ。打席数に対する四球の割合を示す指標であり、高ければ高いほど多くの四球を選んでいることになる。
村上宗隆のBB%はチーム2位
村上のBB%は36試合終了時点で12.6と、チーム内ではトップである山田の24.3に次ぐ数字。また、セ・リーグ全体では8位と非常に高い水準を保っている。坂本勇人(巨人)と青木宣親(ヤクルト)は12.5なので、村上はリーグを代表する2人よりも高い数値を叩き出していることになる。
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ちなみに現時点でのセ・リーグトップは前述した山田の24.3で、4打席に約1個の割合で四球を選んでいる計算。一般的にBB%は勝負を避けられることがあるため、強打者のほうが高い数字になる。そのため、自分の後ろの打者に影響される数値でもある。
6番や7番で起用されることが多く、後ろの打者の打力が劣ることが多い村上の場合、敬遠どころか勝負を避け、歩かされるケースがある。一方、山田や坂本、青木といった上位打線は後ろにも強打者が控えている。当然、村上をはじめとした下位打線と比べ、勝負を避けられるケースは少ない。
打順やチーム内での役割が影響する指標ではあるが、高い数値の選手が四球を多く選んでいることには変わりない。
高卒2年目のシーズンで山田哲人は10.2
現在、トッププレーヤーとして活躍している選手たちが高卒2年目の時、どのような数字を残していたのだろう。
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並みいる強打者のなかで、BB%が10を超えているのは山田ただひとり。今シーズンの数字には及ばないが、高卒2年目のシーズンから四球を多く選んでいたようだ。
その他、同じ左のスラッガータイプである筒香は8.1と、村上のほうがより多く四球を選んでいる。大谷翔平(現・エンゼルス)と森友哉(西武)も筒香とほぼ同じで、鈴木誠也(広島)が若干劣っているとはいえ、それほど極端な差はない。
並みいる強打者たちの高卒2年目と比べても遜色ない数字を残している村上。本塁打だけでなく、四球にも注目していきたい。
※数字は2019年5月8日終了時点