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日本ハム・王柏融とバーベイトがまずまずのスタート 苦戦続くパ新外国人選手たち

2019 4/30 15:17勝田聡
王柏融,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

王柏融が主軸で活躍、バルガスは高出塁率

3月下旬に開幕したプロ野球も早いもので1ヶ月が経過し、ゴールデンウィークの大型連戦に突入した。今シーズンのパ・リーグは、昨シーズンと比べると大きく抜け出しているチームはなく混戦になっている。各チーム故障者も多く、復帰時期によって展開は大きく変わりそうだ。

そのほかにも順位に影響を与える要素となりうるのが、新外国人選手の出来である。今年も多くの外国人選手が新たに日本へとやってきたが、現時点でどのような働きを見せているのだろうか。ここまでのパ・リーグ新外国人選手の成績を少し振り返ってみたい(国内移籍は含まず)。まずは、野手から。

パ・リーグにやってきた新外国人野手は4人。王柏融(日本ハム)、ジョーイ・メネセス(オリックス)、ケニス・バルガス(ロッテ)、ジャバリ・ブラッシュ(楽天)である。主軸打者として期待されて加入した4人だが、ここまでの成績はどうだろうか。

新外国人野手表,ⒸSPAIA

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日本ハムの王は開幕から5番、もしくは3番で起用されながら打率.277(101打数28安打)と、リーグに3割打者が6人しかいない中、まずまず健闘していると言っていいだろう。しかし、もともとスラッガータイプでないとはいえ、1本塁打はやや物足りない。主軸を打ち続けるのであれば、本塁打の数、そして長打率(現在.366でリーグ26位)をもう少し上げたいところだ。

一方、メネセス、ブラッシュ、バルガスの3人はここまで打率2割台前半と苦しんでいるが、その中で、楽天のブラッシュはロッテとの3連戦で3本塁打を放つなど、徐々に持ち前の長打力を発揮し始めている。

また、ロッテのバルガスも期待された長打力ではないが、出塁率で高い数字を記録している。打率.200に対し出塁率.350と高水準で、規定打席到達者の中で見ると、打率は39位ながら出塁率は16位である。

相手投手からすると四球で出塁させても盗塁はほぼなく、後続の打者が続かねば失点にならないのであれば、本塁打だけに気を配るのは当然のこと。ロッテとしてはバルガスの出塁をどのように得点へとつなげるかがポイントとなる。

バーベイトが役割問わずにチームへ貢献

新外国人投手表,ⒸSPAIA

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投手陣ではジョニー・バーベイト(日本ハム)が7試合で1勝1敗、防御率2.57と結果を残している。その起用法は固定されていない。来日初登板となった4月2日の楽天戦は2番手として4回から登板し3回を投げた。ショートスターターの後を受け継いだ形である。2試合目は先発で起用され、5回無失点で来日初勝利をあげた。

その後は試合中盤、もしくは終盤の短いイニングでの起用となった。これまでの常識にとらわれない栗山英樹監督だけに、今後の起用法にも注目が集まる。

バーベイト以外で目立った成績を残している投手はいない。ザック・ニール(西武)、ブランドン・マン(ロッテ)、ジャスティン・ハンコック(日本ハム)の3人はすでに二軍降格。また、タイラー・エップラー(オリックス)、アラン・ブセニッツ(楽天)、ジョシュ・レイビン(ロッテ)は一軍での登板はなく、現時点で戦力になっているとは言い難い。

そのなかで故障離脱していたレイビンが二軍戦に復帰した。1回を無失点に抑え、最速154キロも記録し、一軍昇格へ向けたカウントダウンが始まっている。大型連戦中の昇格があるかもしれない。

このようにパ・リーグの外国人選手たちで、大きな成果を残している選手は現状いない。だが、逆に言うと、日本野球に対応し結果を残す選手が現れれば、チームにとって大きな上積みになるということでもある。はたして、誰がチームの起爆剤となるのだろうか。新外国人選手たちの働きに注目したい。

※数字は2019年4月29日終了時点