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福岡ソフトバンクホークスの奇跡!70年代の奇跡の優勝とは

2017 7/10 10:25Mimu
野球ボール,ⒸShutterstock.com
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盗塁を阻止するために編み出されたクイック投法

そして、その対策として編み出されたのが「クイック投法」だ。まだクイックと言えるほど精度の高いものではなく、どちらかといえば「すり足投法」と言った感じだ。

実は野村選手は、オールスターでのベンチで、福本選手に直接盗塁の極意を聞いていた。そうすると、盗塁はキャッチャーの送球よりも、ピッチャーのモーション次第だという答えが返ってきたのだ。モーションを完璧に盗むことができれば、キャッチャーがどれだけ良い送球をしようとセーフになると。ならばピッチャーのモーションをなるべく短くして、盗塁の隙を与えさせなければいい。つまり足を上げずに投げればいいのではないか、野村選手はそう考えたのだ。

足を上げずに投げられた唯一の投手

しかし、その投げ方をできる投手は南海にはいなかった。今でこそクイックは当たり前の技術だが、プレーオフまでの短期間で足を上げない投げ方に変えろなんて無茶な話であった。しかし、たった1人だけ、南海の投手に足を上げずに投げることができる人物がいた。その人物が、佐藤道郎選手だ。

南海のリリーフ専門投手として活躍していた佐藤選手だが、上半身の力を大きく使うフォームだったため、足を上げてもすり足で投げても、球威にそれほど影響しなかったのだ。

作戦は見事に成功!そのまま優勝へ

迎えたプレーオフ。第1戦でいきなりその福本選手に先頭打者本塁打を打たれるものの、南海も相手のエラーに乗じて一気に3点を奪い逆転して4-2。当然阪急も仕掛けようとする。6回、福本選手が佐藤道郎選手からヒットを放ち1塁へ。阪急からすれば絶好のチャンスだ。しかし、これは南海にとってもチャンスだった。ここで盗塁を防ぐことができれば、プレーオフ全体の流れをつかむことができる。

福本選手は次打者のカウントを悪くしないよう、仕掛けるなら必ず3球目までというポリシーを持っていた。しかしその初球、今までにないすり足投法にタイミングが取れず、福本選手は1塁から動けなかったのだ。2球目、3球目、福本選手は動かない。もくろみ通り、タイミングを変えるのは効果てきめんだった。後続を無事に打ち取り、この試合を勝利する。

第2戦で9失点、第4戦で13失点と打ち込まれた試合もあったが、第3戦・第5戦と、取れる試合をきっちりと勝ち、見事にパリーグ優勝を勝ち取る。12敗1分、圧倒的に阪急有利といわれていたこのプレーオフを、独自の作戦で勝ち取った見事な優勝だった。

まとめ

下馬評を覆す、奇跡の優勝を果たした南海ホークス。 それと同時にクイック投法が生まれた年でもあった。 日本の野球界にも大きな衝撃を与えた優勝になったのだ。

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