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球数を多く投げさせた大賞2024 ボールを見極め、ファウルで粘った打者ランキング

2025 1/20 11:00SPAIA編集部
矢野雅哉・村上宗隆・野間峻祥,ⒸSPAIA
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規定打席到達者の1打席あたり球数ベスト10

野球で打者が投手を攻略するためには球数を多く投げさせることも必要だ。きわどいボール球を見極め、ファウルで粘るうち、投手は投げるボールがなくなっていく。その打席で結果につながらなかったとしても、そういった積み重ねが投手の疲労の蓄積につながり、スタミナを奪うのだ。

では、2024年のプロ野球で1打席あたりの球数が多かった打者は誰だろうか。規定打席に到達した打者のベスト10は下の通りとなっている。

2024年 1打席あたりの球数が多かった打者

1位は最多四球の村上宗隆、2位は矢野雅哉、3位は野間峻祥

1位は村上宗隆(ヤクルト)の4.49球。2024年は12球団最多の105四球を選んだため、当然と言えば当然だ。三振も180個で最多だったが、何でもかんでも振りにいくわけではなく、しっかりと打てる球を呼び込んだ結果、二冠王(33本塁打・86打点)に輝いた。

2位は矢野雅哉(広島)の4.4球。育英高から亜細亜大を経て4年目の昨季は自己最多の137試合に出場。打率.260、2本塁打、38打点をマークした。四球は38個と少ないことから単純に粘って球数を投げさせたことが分かる。2番を打つことも多く、つなぎ役としての役割を果たした。

3位も同じ広島の野間峻祥で4.39球。矢野とともに2番で多く起用され、113試合で規定打席ちょうどの443打席に立って打率.271、出塁率.350だった。

4位は近本光司(阪神)の4.25球。6年目の昨季は141試合に出場して打率.285、6本塁打、45打点をマークし、19盗塁で3年連続盗塁王に輝いた。リーグ2位の68四球を選び、出塁率も.365と高い。オフには球団の複数年の提示を蹴って単年契約を結んでおり、順調なら今季中に国内FA権を取得する見込みだけに動向が注目される。

5位は外崎修汰(西武)の4.24球。昨季は127試合で打率.227に終わったが、出塁率は.312と悪くないのも球数を投げさせたことと無関係ではないだろう。

ベスト10に広島勢が3人も

6位は近藤健介(ソフトバンク)の4.18球、7位は小郷裕哉(楽天)の4.12球、8位は秋山翔吾(広島)の4.1球、9位はオースティン(DeNA)の4.1球、10位は浅村栄斗(楽天)の4.09球と続いている。

ベスト10に広島勢が3人もいるのは、チームとして意思統一ができているということだろうか。しかも3人とも村上宗隆や近藤健介、オースティン、浅村栄斗のようなクリーンアップではなく、1、2番を任されることが多い打者だ。

広島は昨季、リーグ最下位のチーム打率.238、同5位の415得点と得点力不足に泣いたが、ドラフト1位で東都リーグ通算12本塁打の青山学院大・佐々木泰を獲得。クリーンアップ以降の決定力が上がれば、1、2番の粘りが活きてくる可能性もある。シーズン終盤で急失速した昨季のリベンジを果たせるかどうかは、この辺りがポイントかもしれない。

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