12球団最速で助っ人陣容決定
2024年は6年ぶりのV奪回を目指すも68勝70敗5分けの4位に沈んだ広島。守り勝つ野球で9月上旬まで首位に立っていたが、同月にリーグワーストタイとなる月間20敗と大失速し、優勝はおろかAクラス入りも逃した。
オフには先発ローテを支えた九里亜蓮がFAでオリックスへ移籍。投打ともに戦力アップが求められた中、まずは新外国人選手を積極的に補強した。投手、内野手、外野手を1名ずつ獲得。いずれも20代後半のドミニカ共和国出身選手で揃えた。
また、ドラフトでは大学生を中心に、現役ドラフトでは史上初の2人指名で、投手と内野手を重点的に補強。シーズン終盤に息切れした苦い経験を教訓に、投打ともに戦力の底上げを図った。
新加入選手は以下の通り。
【外国人】
ジョハン・ドミンゲス投手(28)ホワイトソックス傘下
エレフリス・モンテロ内野手(26)ロッキーズ
サンドロ・ファビアン外野手(26)レンジャーズ傘下
【現役ドラフト】
鈴木健矢投手(27)日本ハム
山足達也内野手(31)オリックス
【ドラフト】
1位:佐々木泰内野手(22)青山学院大
2位:佐藤柳之介(22)富士大
3位:岡本駿投手(22)甲南大
4位:渡邉悠斗内野手(22)富士大
5位:菊地ハルン投手(17)千葉学芸高
育成1位:小船翼投手(18)知徳高
育成2位:竹下海斗投手(18)敦賀気比高
育成3位:安竹俊喜捕手(23)静岡大
新外国人補強はこのオフも手早くまとめた。昨年11月8日に他球団に先駆けて今オフ1人目の新助っ人となるモンテロの獲得を発表。その後も矢継ぎ早にファビアン、ドミンゲスと契約し、残留が決まっていたテイラー・ハーン含め、11月中に助っ人の陣容を固めた。
ドラフト会議では5球団が競合した地元広島出身の逸材、宗山塁内野手の抽選を外したが、佐々木泰、渡邉悠斗と大学球界屈指のスラッガー2人を獲得。昨季12球団最少の52本塁打と、長打力不足に泣いた攻撃陣の課題解決に打ってつけの人材を確保した。
さらに、現役ドラフトで山足達也、鈴木健矢と12球団で唯一2選手を指名し、選手層を厚くすることに成功した一方、この時点で支配下登録は上限の70人まで残り2枠の68人に。これが影響してか、海外FA権を行使してオリックスに移籍した九里亜蓮の補償では、人的ではなく金銭のみを選択した。
枠に余裕がないことを理由に人的補償の要求を控えたのであれば、画竜点睛を欠く。ただ鈴木清明球団本部長は5人目の助っ人補強に動くことを示唆。即戦力をさらに加えて新井カープ3年目の逆襲を後押しできるか。