暴投数ランキングと暴投率
通算215勝を挙げた村田兆治は歴代最多の148暴投を記録したことでも知られている。「マサカリ投法」と呼ばれたダイナミックなフォームから投げ込むストレートと鋭く落ちるフォークで2363三振を奪った剛腕。最多暴投は40歳まで投げ続けた男の勲章と言ってもいいだろう。
2024年のプロ野球で暴投が最も多かった投手は誰だろうか。ランキングは下の通りとなっている。
通算215勝を挙げた村田兆治は歴代最多の148暴投を記録したことでも知られている。「マサカリ投法」と呼ばれたダイナミックなフォームから投げ込むストレートと鋭く落ちるフォークで2363三振を奪った剛腕。最多暴投は40歳まで投げ続けた男の勲章と言ってもいいだろう。
2024年のプロ野球で暴投が最も多かった投手は誰だろうか。ランキングは下の通りとなっている。
最多の9暴投を記録したのはロッテの佐々木朗希。今季は18試合に登板して自身初の2桁となる10勝5敗、防御率2.35をマークした。111イニングで1729球を投げており、暴投率は0.52%となっている。
平均142.1キロのフォークは落差が大きいため、わずかなコントロールミスが暴投につながる。今季100イニング以上を投げた投手でトップだった奪三振率10.46と表裏一体と言えるだろう。今オフはポスティングシステムでメジャー移籍を目指しており、いよいよ日本の誇る剛腕が海を渡る。
佐々木朗希と並んで9暴投を記録したのがDeNAのアンドレ・ジャクソンだ。今季は25試合で8勝7敗、防御率2.90。2325球を投げており、暴投率は0.39%だった。すでに来季残留が決まっている。
3位は8暴投の西武・今井達也。今季は25試合登板で2年連続2桁となる10勝(8敗)をマークし、187奪三振で最多奪三振に輝いた。2805球を投げているため、暴投率は0.29%とそれほど高いわけではない。
4位は5暴投で9人が並んだ。西武のジェフリー・ヤン、阪神の石井大智、ヤクルトの木澤尚文、中日の清水達也、ヤクルトのミゲル・ヤフーレ、中日の高橋宏斗、ロッテの小島和哉、阪神の村上頌樹、西武の隅田知一郎と速球派が名を連ねている。
中でもヤンは暴投率0.84と高い。躍動感のあるフォームから平均152.6キロのストレートと133.6キロのスライダーを主武器とする左腕は、37試合に登板したものの防御率5.58に終わり、オフに自由契約となっている。
石井大智も暴投率0.63%と高かったが、今季は56試合で4勝1敗1セーブ30ホールド、防御率1.48と好成績を残しており、オフの契約更改では推定年俸4000万円から8200万円にはね上がった。
見ての通り、暴投の多さと成績は必ずしも比例しない。もちろん、少ないに越したことはないとはいえ、暴投を恐れて小ぢんまりまとまるより、腕を強く振った方が持ち味が出る投手が多い。
最後に昨季までの過去5年の最多暴投投手も紹介しよう。
2023年も佐々木朗希が最多12暴投を記録しており、暴投率は今季より高い0.87%だった。
目立つのは2022年のロッテ・益田直也だ。中日・柳裕也と並ぶ8暴投だったが、球数は約3倍のため、暴投率は柳の0.31%に対して、益田は0.92%と高くなっている。同年は、38セーブ、防御率2.24だった前年2021年に比べ、25セーブ、防御率3.29とやや成績を落としたシーズンだった。
また、現役では中日・涌井秀章(88暴投)、ヤクルト・石川雅規(71暴投)に次いで3位の59暴投を記録している西武・髙橋光成も2021年に最多の13暴投。同年は173.2イニングを投げて11勝を挙げたが、81.1イニングを投げて3暴投だった今季は0勝11敗と屈辱的な成績だった。
佐々木朗希はメジャーでも暴投を恐れず思い切り腕を振れるか。もしかしたら、活躍のカギは暴投数にあるかもしれない。
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