投打ともに上回るソフトバンク
プロ野球クライマックスシリーズのファイナルシリーズが16日から始まる。パ・リーグは優勝したソフトバンクとCSファーストステージを勝ち上がった日本ハムの対決(みずほPayPayドーム福岡)。ソフトバンクに1勝のアドバンテージがあり、4勝した方が日本シリーズに進出する。
ソフトバンクはシーズンを独走し、91勝49敗3分けの勝率.650で制した。2位・日本ハムに13.5差をつけ、CSでも有利と見られるが、それでも分からないのが短期決戦の怖さであり、面白さでもある。
まずは両チームの基本的なシーズンデータを比較してみよう。
今季の対戦成績は12勝12敗1分けの五分だったが、項目ごとに見ると、やはりソフトバンクが上回っている。チーム防御率はソフトバンクが2.53に対し、日本ハムは2.94、被本塁打もソフトバンクが88本、日本ハムは110本、対戦防御率もソフトバンクは日本ハム戦で3.41なのに対し、日本ハムはソフトバンク戦で3.80となっている。
打撃成績もソフトバンクのチーム打率.259に対し、日本ハムは.245、本塁打数はソフトバンクの114本に対し、日本ハムも111本と3本しか変わらないが、対戦打率はソフトバンクが日本ハム戦で.267なのに対し、日本ハムはソフトバンク戦で.224だ。
日本ハムは接戦に活路
では、ソフトバンクが圧勝するのかと言えば、決してそうとも言い切れない。注目したいのが下のデータだ。
日本ハムがソフトバンクを上回っているのが1点差以内の接戦だ。ソフトバンクは1点差以内の試合で20勝、勝率57.1%だが、日本ハムは28勝を挙げ、勝率62.2%。接戦では日本ハムの方が強いのだ。
逆に2点差以上ではソフトバンクが71勝、勝率67.6%、日本ハムが47勝、勝率52.2%。強打にものを言わせるソフトバンクは、点差が開くと強い。
ただ、6回終了時にリードしている展開ならソフトバンクは勝率91.9%だが、日本ハムは93.1%とわずかに上回っている。終盤まで接戦に持ち込めば日本ハムにも勝機がありそうだ。そこでイニング別の防御率を調べてみた。
日本ハムがソフトバンクを上回るのは1回、7回、9回、延長。ソフトバンクはクローザーのロベルト・オスナが20セーブを挙げていたが、コンディション不良のため7月5日に登録抹消されたのが響いているだろう。
9月13日に戦列復帰後は4セーブを挙げたものの、9月26日の西武戦では1点リードの9回に登板して3失点で逆転を許すなど、どこまで調子を取り戻しているか未知数な部分もある。代役クローザーとして14セーブを挙げた松本裕樹やほかの中継ぎ陣も含め、7回以降の投手起用はポイントのひとつと言えそうだ。
温存した伊藤大海が満を持して初戦先発
裏を返せば、日本ハムがつけ入るスキはそこにある。先発投手の立ち上がりを急襲して先制点を奪って接戦に持ち込み、終盤でリリーフ陣を攻略する展開に持ち込みたい。
ロッテとのCSファーストステージはまさにそんな展開だった。第2戦は1-2とリードされながら9回に万波中正の本塁打で追いつき、延長10回に淺間大基がサヨナラ打。第3戦も同点の7回に水野達稀の決勝打で勝ち越した。劇的勝利の勢いに乗って中1日でファイナルステージに乗り込めるのも追い風だろう。
そして、初戦にはファーストステージで温存した伊藤大海を中7日で投入できる。今季のソフトバンク戦は6試合に登板して4勝1敗、防御率2.63と好相性だ。
逆にソフトバンク初戦先発の有原航平は日本ハム戦5試合で白星なしの2敗、防御率4.11と結果を残せていない。
最多勝右腕同士の投げ合いとなる第1戦。日本ハムが先制して接戦に持ち込めば勝機は十分ある。そして、初戦を取ればさらに勢い付くことは間違いない。ソフトバンクが独走したパ・リーグだが、CSで波乱があっても決して驚けない。
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