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日本ハムのドラフト補強ポイント 今年のナンバー1評価は明大・宗山塁か、関大・金丸夢斗か

2024 10/15 07:00SPAIA編集部
日本ハムの新庄剛志監督
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ⒸSPAIA

成熟しつつある投手陣

今季は2018年以来6年ぶりにクライマックスシリーズ(CS)進出を果たした日本ハム。新庄剛志監督は就任してから2年連続で最下位に沈んだが、若手育成の方針が実り、勝負の年と位置づけた3年目でリーグ2位と好結果を残した。

ここから常勝軍団を築き上げるためにも、10月24日に開催されるドラフト会議は戦力を強化する最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含め日本ハムのドラフト補強ポイントを考えていく。

【過去のドラフト指名選手一覧はこちら】

先発投手,ⒸSPAIA


投手陣はリーグ3位の防御率2.94をマークした。先発では自身初の開幕投手を務めた伊藤大海が14勝を挙げ、最多勝のタイトルを獲得。加藤貴之も自身最多の10勝、オリックスから加入した山﨑福也も2年連続となる2桁勝利を記録するなど、先発ローテの軸として見事な働きを見せた。

ローテの一角として期待されたバーヘイゲンの出遅れや上原健太の不振などはあったが、2年目の金村尚真や育成出身3年目の福島蓮ら若手も台頭。3年目の北山亘基、5年目の鈴木健矢ら力のある投手も含め、陣容は固まりつつある。もし伊藤大海に次ぐエース候補を確保できれば、来季のリーグ優勝もぐっと近づくだろう。

リリーフ投手,ⒸSPAIA


一方のリリーフ陣は、守護神・田中正義を中心に、河野竜生、杉浦稔大、マーフィーらで勝ちパターンを形成。また、ベテラン39歳の宮西尚生が復活を遂げ、生田目翼も頭角を現すなど、前年から着実に陣容の厚みが増している。

さらに、プロ初セーブをマークした3年目の柳川大晟、昨季途中に中日から加入した山本拓実も36登板で防御率1.82と実績を積んだ。ベテラン、中堅、若手と年齢分布もバランスよく緊急性は低い。他のポジションの補強を優先しつつ、中位から下位で社会人、大学生の即戦力候補を獲得する形が想定される。

野手は充実の陣容も、決め手に欠ける二遊間

捕手,ⒸSPAIA


捕手では高卒6年目の田宮裕涼がチーム最多81試合でスタメンマスクをかぶるなどブレイク。51試合で先発出場した34歳の伏見寅威とともに、扇の要として好調なチームをけん引した。

昨年のドラフト2位で進藤勇也も獲得し、陣容は揃っているようにみえるが、マルティネスと郡司裕也は内野がメイン、古川裕大も打撃を生かしてコンバートと頭数が足りていない。二軍で鍛える捕手を補充する意味でも、高校生を中心に指名しておく必要がありそうだ。

内野手,ⒸSPAIA


続いて内野手。ファーストは助っ人のマルティネスが最多の87試合で先発出場。サードでは郡司が自身初の規定打席に到達するなどレギュラーに定着した。夏場以降クリーンアップを担った清宮幸太郎に、昨季の開幕4番・野村佑希など好打者が揃っており、補強の優先度は低い。

一方、セカンドは上川畑大悟と石井一成がスタメンを分け合い、ショートには水野達稀が98試合で先発出場とレギュラーを掴みつつある。ただ、攻守ともに決め手に欠ける面もあるだけに、さらなるチーム力向上に向けて補強優先度の高いポジションと言える。

外野手,ⒸSPAIA


外野手はレギュラーの万波中正が今季も攻守両面で躍動したほか、現役ドラフトで加入した水谷瞬が交流戦でMVPを受賞するなどブレイク。新助っ人のレイエスも球団新記録の25試合連続安打を記録するなど、後半戦から持ち前のパワーを発揮し、チームトップの25本塁打をマークした。

懸念点は2022年の首位打者・松本剛の成績が下降線をたどっていること。五十幡亮汰に二刀流の矢澤宏太らが控えてはいるが、レギュラーに定着できるかは未知数。外野手を指名するとしたら、センターを守れる選手を補充しておきたい。

今年は野手のナンバー1・宗山塁を1位指名?

以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.突き抜けた二遊間候補
その年のナンバー1選手を1位指名する方針の日本ハム。今年は先発投手か二遊間を守れる野手の2パターンに候補が絞られた中、明確なレギュラーがいない二遊間の目玉、明治大・宗山塁を1位指名と予想。アマ球界ナンバー1の即戦力遊撃手は攻守ともに1年目からレギュラーとしての活躍が見込める。レギュラー不在の二遊間問題を解決し、強固な内野陣を完成させたい。

2.即戦力の先発投手
先発投手は2位で確保したい。ただ、日本ハムの2位は全体で21番目となるため、即戦力の先発候補がどれだけ残っているか。大学生なら最速157キロを誇る法政大・篠木健太郎、社会人なら今季急成長を遂げた西濃運輸の本格派左腕・吉田聖弥らが有力候補となるだろう。

3.高校生捕手
他のポジションでプレーする選手が多い捕手も上位での指名を検討しておきたい。年齢バランス的に高校生を優先的に指名したいところ。筆頭候補は今春センバツで初優勝した健大高崎高・箱山遥人だ。複数の投手を巧みにリードした統率力、高校通算35本塁打のパンチ力を併せ持ち、将来の正捕手候補として鍛えがいのある選手だ。

その他では、強打が持ち味の横浜高・椎木卿五、守備に定評のある沖縄・エナジックスポーツ高の龍山暖らが候補となる。

※表の年齢は2024年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月14日時点)

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