2024年の変化球打率TOP10
パドレスのダルビッシュ有は多くの変化球を投げ分けることで知られる。同じスライダーや落ちる球でも少し握りを変えるだけで変化の仕方も変わる。打者は頭に残る変化球の軌道をイメージして対応するしかないが、その種類が多いほど対応に苦慮するのも当然だ。
そんな変化球を巧みなバットコントロールで打ち返す「名人」は誰だろうか。2024年シーズンの変化球打率ランキングを紹介しよう。
パドレスのダルビッシュ有は多くの変化球を投げ分けることで知られる。同じスライダーや落ちる球でも少し握りを変えるだけで変化の仕方も変わる。打者は頭に残る変化球の軌道をイメージして対応するしかないが、その種類が多いほど対応に苦慮するのも当然だ。
そんな変化球を巧みなバットコントロールで打ち返す「名人」は誰だろうか。2024年シーズンの変化球打率ランキングを紹介しよう。
12球団一の「変化球打ち名人」は今季ブレイクしている田宮裕涼(日本ハム)。パ・リーグトップの打率.341を誇る打撃と「ゆあビーム」と呼ばれる強肩、さらに甘いマスクも手伝って人気急上昇中の23歳だ。
変化球打率はなんと.391。ストレートの打率.296より1割近く高い。まさに名人級の技術が数字でも証明されている。
新庄剛志監督に見出されたプロ6年目。オールスターファン投票でも6月3日現在、パ・リーグ捕手部門で森友哉(オリックス)と甲斐拓也(ソフトバンク)の実力者2人を抑えて41万票以上を集めてトップを走っている。今後さらに知名度も注目度も上がっていくだろう。変化球への対応に目を凝らしたい。
2位は変化球打率.328の長岡秀樹(ヤクルト)。セ・リーグ2位の打率.306をマークしているプロ5年目の22歳だ。長岡もストレート打率は.268で変化球に強いことが分かる。140キロ以上のボールに対する打率は.185、150キロ以上なら.111となっており、速い球への対応力を磨けばさらに打率は上がりそうだ。
3位は球界屈指の韋駄天・周東佑京(ソフトバンク)。シーズン打率はパ・リーグ9位の.267だが、変化球に限れば.325をマークしている。盗塁も12球団トップの17個を記録しており、走攻守でチームに貢献している。
4位は広島の新4番・小園海斗で、変化球打率.314。シーズン打率も.296と高いが、得点圏に走者がいると.396にはね上がる。本塁打は1本だけだが、その勝負強さで純国産打線を牽引している。
5位は変化球打率.311の近藤健介(ソフトバンク)。上位4人はストレート打率より変化球打率の方が高いが、近藤はストレートに対しても.359のハイアベレージをマークしており、どんなボールにも対応する万能型だ。昨季、本塁打王、打点王、最高出塁率の3部門でタイトルを獲得したのも頷ける。
オリックスの若武者・紅林弘太郎は変化球打率.310で6位に入った。ストレート打率は.238だが、それでもシーズン打率はパ・リーグ4位の.282をマーク。プロ5年目の22歳は同期入団の宮城大弥とともに欠かせない存在だ。
7位は明治大から中日に入団して2年目の村松開人。ストレート打率.304、変化球打率.302と高い対応力を持っており、シーズン打率.303はセ・リーグ3位につけている。オールスターファン投票のセ・リーグ遊撃手部門でトップに立っているが、2位の長岡秀樹と激しいつばぜり合いを演じており、こちらの行方も見ものだ。
8位は変化球打率.291の水野達稀(日本ハム)が入った。JR四国から入団3年目の23歳。ストレート打率.200、140キロ以上の打率.123と低いため、速い球への対応力を磨けばまだまだ伸びるはずだ。
西武時代に首位打者に輝いた実績を持つ森友哉(オリックス)は9位。ストレート打率は.176と意外に低いものの、変化球打率は.290をマークしている。6月1日にケガで離脱したのはチームにとっても激痛だろう。
10位はシーズン216安打のNPB記録を持つ秋山翔吾(広島)。変化球打率.278で、ストレート打率はさらに高い.286と高い打撃技術が数字で証明されている。チームも首位争いを演じる今季は秋山への期待が高まるばかりだ。
ベスト10でストレート打率が変化球打率より高かったのは近藤健介、村松開人、秋山翔吾の3人。どちらかと言うと、変化球打ちのうまい若手選手はパワーヒッターではなく、速いストレートに力負けしているのかもしれない。
裏を返せば、経験とトレーニングを積み、体が大きくなってストレートも弾き返せるようになれば、天性のバットコントロールはさらに活きてくる。「変化球打ち名人」たちの今後が楽しみだ。
※成績は6月3日現在
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