日本ハム水谷瞬がプロ初猛打賞&本塁打など大暴れ
プロ野球は交流戦が始まり、2カードを消化した。ロッテ、ソフトバンク、楽天、日本ハムが勝ち越すなどパ・リーグチームが好調な滑り出しを見せている中、オリックスが2勝4敗で唯一の負け越し。このままズルズルいくと取り返しのつかない差になる可能性もあるだけに、早急に立て直しを図りたいところだ。
SPAIAでは5月28日から6月2日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
日本ハムの水谷瞬が12球団トップのwRAA5.2を記録した。昨年の現役ドラフトでソフトバンクから移籍してきた23歳は、5月21日に今季2度目の一軍昇格を果たすと、29日の阪神戦(甲子園)で自身初の3安打猛打賞、翌日の同戦でも4安打と打棒が爆発。さらに、2日のDeNA戦(エスコンF)ではプロ初本塁打も放った。
先週は5試合に出場して19打数11安打の打率.579、1本塁打、5打点、OPSも1.442をマークと、昨季まで一軍出場ゼロだった6年目外野手が交流戦で躍動。一気にレギュラー獲得までこぎつけることができるか注目だ。
渡邊佳明と小川龍成がレギュラー獲得へアピール
2カード連続で勝ち越しに成功した楽天では、渡邊佳明がチームトップのwRAA3.5だった。先週は出場した全5試合でヒット、3試合でマルチ安打を記録するなど15打数8安打の打率.533をマーク。交流戦直前は代打での出場が続いていたが、首脳陣の起用にきっちり応え、スタメン奪取へ快音を響かせている。
2位に浮上した好調ロッテではwRAA2.9で小川龍成がチームトップだった。今季初の2番で起用された5月31日の阪神戦で2打数2安打、2打点、4四球と6打席すべて出塁。延長10回二死満塁で迎えた第6打席では、押し出し四球を選びサヨナラ勝ちの立役者となった。4年目の守備職人がバットでも存在感を発揮し始めた。
5位のオリックスでは、頓宮裕真がチームトップのwRAA2.4をマークした。不振のため二軍落ちしていた昨季の首位打者は、交流戦開幕に合わせて一軍へ復帰。2試合でマルチ安打を記録するなど6試合で15打数5安打の打率.333、4打点。8四球を選び、出塁率は.560をマークするなど、復調の兆しを見せている。
滝澤夏央が攻守に存在感、近藤健介は自身初の1試合2発
交流戦から渡辺久信GM兼監督代行が指揮を執る西武では、高卒3年目の滝澤夏央が躍動。11打数4安打の打率.364で、OPSは1.045をマークし、チームトップとなるwRAA2.0を記録した。本職ではない三塁での出場が続くが、好守備を連発するなど与えられた場所でがむしゃらにアピールし、一気にレギュラー獲得を狙う。
首位を走るソフトバンクでは近藤健介が23打数6安打、wRAA1.6でチームトップだった。2日の広島戦では自身初の1試合2発、先制7号ソロとサヨナラとなる8号2ランを放ち、カード3連勝に貢献。柳田悠岐が「右半腱様筋損傷」の重傷で負傷離脱する中、頼れる主砲が打線をけん引している。
交流戦2週目に突入する今週は、2カードともセ・リーグの本拠地で行われる。投手が慣れない打席に立つ機会が増えるだけに、各チーム野手陣にはより一層の奮起が求められるだろう。週間MVPに輝いた選手たちは好調をキープできるのか、その打棒にも注目したい。
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