5度目の対決は佐々木に軍配も宮城は自己最速155キロ
オリックス宮城大弥とロッテ佐々木朗希の5度目の対決となった4月30日のオリックスーロッテ(ほっともっとフィールド神戸)は、ロッテが1-0で勝ち、佐々木に軍配が上がった。
佐々木は7回4安打10奪三振無失点、宮城は8回5安打13奪三振1失点とともに文句のない内容。宮城は自己最速の155キロをマークするなど同級生へのライバル心を垣間見せる投球で、自己最多タイの13三振を奪った。
ライバルストーリーの始まりは高校時代までさかのぼる。興南高の左腕・宮城は大船渡高の右腕・佐々木とU-18日本代表メンバーに選出されてから意気投合。佐々木が160キロをマークする超高校級の逸材として露出が増えるとともに、仲良しコンビとして宮城が取り上げられることも増えた。
2019年ドラフトで4球団競合の末、ロッテに入団した佐々木に対し、宮城は石川昂弥、河野竜生を抽選で外したオリックスの「外れ外れ1位」として入団。いつも前を走る佐々木の背中を追いかけるような状況だったが、穏やかでマイペースな宮城はライバル心を剥き出しにすることもなく、仲良しコンビは微笑ましい存在だった。
プロ初対決は2021年10月14日。佐々木が6回無失点で勝ち投手となり、宮城には黒星がついた。
さらに翌2022年4月10日の2度目の対決では、佐々木が完全試合を達成。宮城は完全に引き立て役だった。佐々木と投げ合った計5試合の宮城の成績は以下の通りとなっている。
高校時代から続くライバル物語
2023年6月27日の3度目の対決では、宮城に白星こそつかなかったものの8回無失点と好投。同年9月10日の4度目の対決では8回1安打無失点と完璧な投球で、ついに初白星をつかんだ。
そして今回、負けはしたものの佐々木を上回る13奪三振。奪三振率(K/9)は過去最高の14.6を記録した。
プロで3年連続2桁勝利を挙げている宮城は実績では佐々木を上回る。穏やかな表情や愛くるしいキャラクター、飄々とした振る舞いで人気だが、登板した時の凄みは紛れもない一流プロのそれだ。マウンド上の迫力でも佐々木に引けを取らなくなってきた。
投手と投手は直接対決するわけではないものの、激しい火花を散らせるような投げ合いは見る者を魅了する。それが高校時代から続くライバルストーリーとなると過去にもそういない。
最近では2013年の高校野球広島大会決勝で甲子園をかけて投げ合った瀬戸内・山岡泰輔(現オリックス)と広島新庄・田口麗斗(現ヤクルト)がともにプロで活躍しているが、リーグが違うこともあって投げ合う可能性は低い。
プロのトップレベルでライバルとして張り合う宮城と佐々木。次はどんな投げ合いでファンを魅了するのだろうか。極上の投手戦を見てみたい。
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