二軍で最多セーブの157キロ右腕・尾形崇斗
2023年は3位に終わり、2010年以降では初めて3年連続V逸となったソフトバンク。藤本博史監督の後任として就任した小久保裕紀新監督はいきなり結果を求められる厳しい状況でもある。
今オフは西武からFA宣言した山川穂高を獲得。不祥事を起こしたため賛否両論あったが、戦力としては大きな上積みだ。さらに高橋礼と泉圭輔を放出して2対1の交換トレードで巨人からアダム・ウォーカーも獲得した。2023年に23本塁打を放った助っ人への期待は高い。
一方で森唯斗、嘉弥真新也、上林誠知ら実績組に戦力外通告し、FAの人的補償で甲斐野央が西武に移籍。ドラフト1位で大阪桐蔭高の左腕・前田悠伍を獲得したとはいえ、現有戦力の底上げは不可欠だ。
若手投手で覚醒が期待されるのが尾形崇斗。学法石川高から2017年育成1位で入団し、2022年にプロ初勝利を挙げるなど一軍で通算30試合に登板している。最速157キロを誇る本格派右腕だ。
昨季、一軍では12試合登板(0勝1敗)にとどまったものの、ウエスタン・リーグでは41試合で2勝1敗16セーブ、防御率0.98をマークし、阪神・小林慶祐とともに最多セーブに輝いた。
クローザーには昨季26セーブのロベルト・オスナがいるが、リバン・モイネロの先発転向プランもあり、尾形が一軍のブルペンに割って入れば厚みが増す。プロ7年目の飛躍が期待される。
二軍で4年連続本塁打王のリチャード
野手陣で期待される1人が尾形と同期入団のリチャードだ。アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、身長189センチ、体重123キロの恵まれた体格を誇るスラッガー。沖縄尚学高から2017年育成3位で入団し、2020年にウエスタン・リーグで12本塁打、47打点をマークして二冠王に輝くなど早くから期待されてきた。
2021年には一軍で7本塁打を放ったもののレギュラー奪取には至らず、ウエスタン・リーグでは2年連続ホームランキング(12本塁打)。2022年も一軍では3本塁打にとどまりながら、ウエスタン・リーグ新記録の29本塁打で3年連続キングに輝き、89打点で2冠に輝いた。
さらに2023年は二軍で19本塁打を放って4年連続本塁打王、56打点で2年連続3度目の2冠に輝いたが、一軍では22試合出場で本塁打なし。ファームでは断トツの実績を残しながらも、足踏みする日々が続いている。
7年目を迎える今季、もう二軍のタイトルはいらない。今オフは大谷翔平も利用している米シアトルの「ドライブライン・ベースボール」でトレーニングを積んだ。目指すは二軍ではなく、一軍の本塁打王だ。
野手陣の主力は柳田悠岐が35歳、中村晃が34歳、近藤健介が30歳、今宮健太が32歳、牧原大成が31歳と高齢化が進む。新加入の山川穂高も32歳だ。まだ24歳のリチャードが殻を破ればソフトバンク打線を活性化することは間違いない。
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