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直近15年でシーズン30発は1人だけ ロッテ新加入ネフタリ・ソトはこの壁を超えられるか

2023 12/15 06:00SPAIA編集部
ロッテが獲得したネフタリ・ソト,ⒸSPAIA
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NPB通算161発の強打者

ロッテは14日、前DeNAのネフタリ・ソト(34)を獲得したことを発表した。

プエルトリコ出身、右投右打の内野手は2018年にDeNAで日本でのキャリアをスタートさせると、通算6年で打率.262、本塁打161、打点442をマーク。特に107試合の出場で41本塁打を放った来日1年目のインパクトはすさまじく、翌2019年も43本塁打で2年連続本塁打王に輝いている。

近年は故障や不振に苦しみ、2年連続で規定打席の到達を逃しているが、それでも来日1年目から6年連続で2ケタ本塁打を記録するなどパワーは健在だ。

ソトも球団を通じて「千葉ロッテマリーンズでプレーできることにとても興奮しています。外から見ていて本当に良いチームという印象を受けていました。このチームはチャンピオンになれるチームだと感じています」と新天地への期待を語っており、「マリーンズの優勝のために自分は出来る限りの努力をして、ファンの皆様に優勝をプレゼントしたいと思っています」と千葉での大暴れを誓った。

2006年以降シーズン30発はレアード一人だけ

チームを率いる吉井理人監督も「右のホームランバッター。中軸を打ってくれる選手で勝負強く長打を打って打点を挙げてくれることを期待しています」とその打力に期待。「現状は一塁とDHでの起用をイメージしています。本当に嬉しいですし、今から楽しみです」と具体的な起用のイメージについても言及している。

今季のロッテの一塁手事情を見てみると、最も多くポジションに就いたのが山口航輝の68試合。以下、茶谷健太が45試合で池田来翔と井上晴哉が22試合、三塁で100試合以上に出場した安田尚憲も一塁で14試合の出場歴があり、捕手の佐藤都志也も10試合と多くの選手に出場機会があった。レギュラー不在のポジションと言えるだけに、ソトにかかる期待は自然と大きくなる。

指名打者には今季パ・リーグ本塁打王に輝いたグレゴリー・ポランコがおり、現時点では去就についての公式発表がないものの、球団は残留に向けて交渉する方針であることが複数のメディアから伝えられている。もし残留が叶えば日本で本塁打王獲得経験がある左右の大砲を組み込んだ強力打線が完成、万が一退団となった場合にもソトの起用の幅が広がるという点で、来季への希望が膨らむ大きな補強と言えるだろう。

近10年・ロッテの最多本塁打者


今季はポランコが球団37年ぶりとなる本塁打王のタイトルを獲得したが、本数は26でこれは1960年以降のパ・リーグ本塁打王の中では最少。浅村栄斗(楽天)、近藤健介(ソフトバンク)とともに3人同時受賞という珍しいケースになった。

近年ではブランドン・レアードが2019年に32本塁打を放っているものの、2000年以降のロッテの選手でシーズン30発以上を記録したのはフランク・ボーリック(2001年/31本)、デリック・メイ(2001年/31本)、ホセ・フェルナンデス(2003年/32本)、ベニー・アグバヤニ(2004年/35本)、李承燁(2005年/30本)、そしてレアードの6人だけ。うち5人は2001~2005年に集中しており、直近15年ではレアードしか達成者がいないという状況になっている。

チーム本塁打数を見ても、直近10年で3ケタに到達したのは3シーズンのみ。従来の外野席の前に新設したテラス席「ホームランラグーン」が誕生した2019年こそリーグ3位のチーム本塁打158を記録したが、以降はコロナ禍という特殊な状況もあったとはいえ、その効果を維持することができたとは言えない。

ソトはロッテの長年の課題である“迫力不足”を解消する救世主となるか。「シーズン30発」という数字に注目しながら、新天地での奮闘を見守りたい。

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